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【回答者 塚越朱美弁護士】ネタバレで閲覧者から謝罪を要求されました

質問 30代の女性団体職員です。インターネット上に、ある漫画のファンサイトを開設しています。先日その漫画が最終回を迎え、「ネタバレ」を含む感想を書きました。すると閲覧者から「最終回を見る楽しみが奪われた。謝罪と慰謝料を要求する」というメールが何通か送られてきました。応じる必要はありますか。

回答 結論としては、サイト閲覧者の要求に応じる義務はありません。

 サイトにどのような感想を載せるかは、基本的に個人の自由として尊重されます。しかし、サイトの内容によって他人の権利や法律上保護される利益が侵害され、その結果として損害を与えた場合には、損害賠償責任を負う場合があります(不法行為責任)。

 例えばネタバレが、漫画をそのまま載せるなど著作権侵害を伴う形だった場合や、過剰なネタバレにより売り上げにも影響があった場合には、著作権者や出版社などから責任を問われる可能性があります。

 しかし、これらはあくまで著作権者との間の問題です。著作権侵害行為があるからといって、直ちに第三者であるサイト閲覧者に対して不法行為責任を負うわけではありません。

 閲覧者との関係で不法行為責任が成立するには、閲覧者(一般消費者)に「ネタバレされずに最終回を楽しむ」という「法律上の保護に値する利益」があり、それを侵害する行為に違法性があるといえなければなりません。しかし、既に発売された漫画は、市場に流通し不特定多数の人の目に触れますので、ネタバレされない利益が法律上の保護に値するかは、なかなか難しいように思います。

 仮に法的保護に値するとしても、個人サイトにすぎないことや、サイトを見るかどうかは閲覧者の自由であることなどから、一般消費者との関係では違法性が認められないように思います。したがって閲覧者に対しては不法行為責任を負わず、慰謝料の支払いに応じる必要はありませんし、謝罪の義務もありません。

 もっとも、ネタバレの仕方によっては閲覧者に不快感を与えかねません。『以下はネタバレを含みます』と記すなど閲覧者に最低限の配慮をし、不要なトラブルを招かないよう注意することが賢明です。(つかごし・あけみ)

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