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病床あっても人手なし 看護師、介護に忙殺 札幌の高齢者施設、病院で集団感染

 道内の新型コロナウイルスの感染者が14日連続で3桁となる中、札幌市が新型コロナ患者を受け入れる医療体制の逼迫(ひっぱく)に危機感を募らせている。受け入れ病院では、高齢者施設のクラスター(感染者集団)続発に伴い、介護に人手が割かれて看護師が不足し、院内感染による「戦線離脱」も起きている。「病床あれど、スタッフ足りず」。今後、他市町村からの患者受け入れが難しくなる恐れもあるという。

 「ふーっ、ふーっ」。新型コロナ患者を受け入れている札幌のある病院の病室。40代の女性看護師が高齢患者を抱き起こし、タオルで体を拭く。食事や排せつの介助、床ずれを防ぐ体位交換と、体を密着させての作業が多い。看護師は防護服を着込み医療用のN95マスクを着用。「息苦しく動きにくい。本当に疲れます」

 検温や点滴確認など、毎日1人当たり1時間必要。認知症の患者も入院しており、看護師は「点滴の針を抜き、酸素マスクを外す人もいた」と明かす。通常1、2時間おきの見回りも30分に1回必要だ。

 新型コロナの場合、患者4人に1人の看護体制となる。介護が必要だと「患者1人に2人付くこともある」(医療関係者)という。

 市内の新型コロナ患者向け病床は約360床。17日時点の入院患者は238人で、一見、余裕がありそうだ。市は最大450床程度まで上積み可能だとする。だが、実態は「10床あっても10人受け入れは無理」(医療関係者)という。看護師の手が足りないためだ。

 11月は札幌以外でも感染が急拡大し、室蘭や岩見沢などでもクラスターが起きた。札幌の医療機関には石狩管内や胆振管内の患者も入院しているが、秋元克広市長は17日の記者会見で「受け入れられなくなる可能性が出てくる」と述べ、患者の増加を懸念した。

 こうした状況から、市は新型コロナ患者を受け入れている20病院と別に、介護は必要だが症状が軽い高齢者向けの「後方支援病院」を探し始めた。

 市は応じた医療機関に財政支援を検討中で、複数の医療機関が候補に挙がる。ただ、病院側には「新たな院内感染を招く」との不安もつきまとっている。

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