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<デジタル発>デジタル庁のあるべき姿は? シビックテッカー・関治之さんに聞く 「みんなが参加できるコミュニティーに」

 菅義偉首相の強い意向で、デジタル庁創設に向けた動きが加速している。行政のデジタル化によって社会はどう変化するのか。デジタル庁のあるべき姿とは―。行政と連携しながらテクノロジーを活用して社会の課題解決に取り組む「シビックテック」が注目を集める中、その旗振り役を担う一般社団法人「Code for Japan(コード・フォー・ジャパン)」(東京)の関治之代表理事(45)が、10月1日のシビックテックのセミナーに参加するため、札幌を訪れた。その際に、デジタル庁に何を思うのか、聞いてみた。(聞き手/報道センター・デジタルチーム 門馬羊次)

 関治之(せき・はるゆき) 1975年生まれ。「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をテーマに、さまざまなコミュニティーで活動する。東日本大震災で災害情報の発信にボランティアとして関わったことをきっかけに、2013年、Code for Japanを設立。神戸市チーフ・イノベーション・オフィサー、東京都デジタルトランスフォーメーションフェローにも就き、行政のデジタル関連政策のアドバイザーとしても活躍している。


 ――新型コロナウイルスの感染拡大によって、行政のデジタル化の遅れが顕在化したと指摘されています。

 関さん 日本はアナログの行政が優秀なので、今までデジタル化が進んでいなくても何とか乗り越えてきました。ところが、新型コロナの感染拡大に伴い、給付金のオンライン申請が滞ったように、大きな課題に直面しました。省庁間や、国と地方の間で情報が流通していない弊害に、みんなが気付きました。

 ――「情報の流通」という視点では、東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」の開設は、大きなインパクトがありました。行政の公表する感染者数などのデータを活用し、関さんをはじめ、Code for Japanのメンバーたちが見やすいページを作り、サイト(を作るため)のソースコード(設計図)も公開したことで、北海道を含む全国に同様のサイトが広がりました。

 関さん 「行政が伝えたいこと」と「住民が知りたいこと」は、必ずしも一致しません。シビックテックの良いところは、情報を分かりやすく伝えるノウハウを持つエンジニアがプロジェクトに参加し、ユーザーの視点で取り組んでいけることです。正確性を求めすぎるあまり、最も必要とされている時に、タイムリーに情報を発信できなかったら意味がありません。東京都側もなるべくデータを早く出そうとか、手間なく更新できるようにしようと考えていたので、行政とエンジニアの双方の意見を戦わせ、作り上げることができました。

 行政の今までの考え方であれば、あのような広がりにはならなかったと思います。東京都の宮坂学副知事(元ヤフー社長)からサイトの立ち上げの話が来た段階で、(ネット上で広く無償公開する)「オープンソース」にしようという考え方でした。税金で作る仕組みである以上、広く公開して他の自治体にも役立ててもらう。そして、ソースコードを公開することで、多くの人の助けも得ることができるということです。

東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイト

北海道新型コロナウイルスまとめサイト


 ――シビックテックの活動には、行政がデジタル化を円滑に進める上でのヒントがあると感じます。改めて、デジタル庁が機能していくためのポイントは、どこにあると思いますか。

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