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サケ不漁 筋子、1キロ5000円 秋の味覚、高根の花に サンマも不振続く

 秋サケ定置網漁の不振を受け、道産筋子の市場価格が高騰している。9月末時点で1キロ平均5千円を超え、記録のある2000年以降では2番目の高値に。10月に入り、イクラの製造が本格化する中、鮮魚店や飲食店は対応に苦慮する。サンマも10日に根室・花咲港で今年一番の508トンを水揚げしたが、不漁傾向は変わらず、秋の味覚が手の届かない存在になりつつある。

 JR札幌駅直結の複合商業施設「札幌エスタ」の鮮魚店「魚政」では、粒が大きな上質の筋子を前年並みの100グラム980円で販売。ここ数年は市場価格が高止まりし、販売価格に利益分を上乗せしづらいといい、林啓太専務取締役は「ほぼ原価で販売している」と話す。サンマも仕入れ値が上がっており、「大衆魚が高級魚になってしまった」とため息をついた。

 札幌市中央卸売市場の9月末の平均価格は筋子が1キロ5290円。記録的な不漁だった17年(同6637円)に次いで高い。サンマは漁獲量が前年同期の3割程度にとどまっていることから過去最高の同914円に。最も安かった05年(同216円)の4倍以上だ。

 水産卸道内大手の丸水札幌中央水産(札幌)によると、筋子の価格高騰の背景には、同様に不漁で高騰した17~18年の販売不振を踏まえ、19年に多くの水産加工会社が買い控えたことがある。その結果、今年は在庫が少なく、水揚げ不振も重なって引き合いが強まり、価格が上昇したという。

 道が発表した今年の沿岸での秋サケ漁獲数は、9月末時点で858万匹。近年で最低だった昨年の同時期より8%増えたものの、なお低水準が続いている。

 さらに今年は、道産筋子の代用となる米国産シロザケの輸入卵が不漁で少ないことも価格高騰の一因になっているようだ。丸水札幌中央水産の担当者は「今後も値段が下がるとは考えづらい」と話す。一方、秋サケの切り身は輸入サーモンなどの代替品があるため、価格は安定しているという。

 飲食店も苦しい対応を迫られる。函館朝市で海鮮丼を提供するきくよ食堂は「イクラ丼などは価格を据え置いたまま、イクラの量を少なくせざるを得ない」と話す。コロナ禍に伴う景気悪化や雇用の先行き不透明感などから、消費者の財布のひもが固くなっているとみられるだけに苦戦が続きそうだが、水産加工販売大手の佐藤水産(札幌)の太田善晴名誉副会長は「価格は高いけどものはいい」と強調し、販売増に期待を寄せている。(麻植文佳)

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