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#大学とコロナ #秋からの学生生活 授業、課外 少しずつ平常に

 9月下旬から道内の多くの大学で後期が始まった。前期は新型コロナウイルスの感染防止のために通学できない状況が広がったが、後期は大学の間にコロナ対策の徹底を前提に可能な限り平常な形に近づけようとする動きが見られる。授業の形態や課外活動、就職活動(就活)など、秋からの学生生活を展望する。(青山実)

 前期の授業は大半の大学がインターネットによる遠隔で行った。その一つの小樽商大は後期の授業を《1》遠隔《2》対面《3》混合型の3種類に分けて行う。鈴木将史副学長(61)は「きめ細かな教育には教師と学生が直接向き合うことが欠かせない」とし、混合分も含めて全科目の約2割を対面で行う。ただ、学生の間には対面を望む一方で不安の声もあるため「学生の希望も確かめながら徐々に対面を増やしたい」と話す。

 同大は9月に1年生向けのオリエンテーションをようやく開催。構内を見学した松村卓弥さん(20)は「大教室の広さや図書館の本の多さに驚いた」と大学生になった実感をかみしめていた。ほかにも対面に戻す大学はじわりと増え、札幌大では全科目の約8割、北海学園大は約7割で行う。

 課外活動も緩やかに拡大されている。北星学園大では活動が止まっていた部活・サークルが8月末から「3密」などに注意して再び動き始め、9月からは新入部員の勧誘も開始した。北大では7月上旬まで使えなかった体育館のような諸施設を8月中旬から一部制限付きで再開。他大学も「飲料品の飲み回し禁止などのガイドラインを策定」(札幌大)や活動計画書の提出・審査などを通じて学生の活動を支えている。

■就活 内定は遅めに推移

 4年生の内定率は、就職情報会社のマイナビ(東京)によると全国では77.6%(8月末)で「昨年より1カ月遅いペース」(広報部)。要因は「コロナで企業の採用活動が一時中断したため」(同)とみている。道内の内定率も「8月末時点で昨年は6割近かったが今年は4割程度」(札幌学院大)、「7月1日時点では昨年が7割程度に対して今年は6割程度」(室蘭工大)と遅めに推移している。3年生など向けのインターンシップ(就業体験)の合同説明会は夏以降対面でも行われており、マイナビは10月~2月まで道内で6回の開催を予定。業種では建設やIT系が増え、航空会社や菓子メーカーなどが減少している。

■アルバイトは回復傾向

 学生生活で重要なアルバイトは6月以降、経済の回復とともに増加傾向がみられる。特に「コンビニが堅調な札幌、北見、苫小牧などで求人が増加」(北海道アルバイト情報社)している。バイト先として人気のある飲食業界は「郊外店やファミリー層向けは好調だが、居酒屋系はまだ厳しい」(同)状況だ。

 今後の課題として冬の換気対策が一つの焦点になる。主に窓やドアを数分開けることになるが、北大、札幌大、北星学園大は30分に1回程度、北海学園大は授業と授業の合間に20分程度を計画。室蘭工大は熱交換型換気システムを稼働させ、小樽商大はエアコンの強制換気と温度設定を上げて対応する。各大学はその時期に学生に暖かい服装を推奨していく方針。札幌学院大ではさらに学内を定期的に巡回して温度と二酸化炭素濃度を計測することも予定している。同大の斎藤美雄広報係長(42)は「学内の密集度などに注意しながら学生の健康管理に努めたい」と話している。

<取材後記> 「コロナ禍の中でいま何がどうなっているかを知りたいです」。道新夢さぽを読んでくれている大学生からこんな声が寄せられた。あらためて先の見通しが立たない「五里霧中」の若者たちが多くいることを思う。本日の特集が多少なりとも進むべき道を照らす「一灯」になればと願う。(青)

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