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<みなぶん>かんぽ不正、再発大丈夫? 道内郵便局「顧客優先、徹底されず」 幹部処分「軽い」の声

 不正販売の発覚を受けて昨年7月から自粛していた日本郵政グループによる「かんぽ生命保険」の営業活動が、5日再開した。経営陣は再発防止を強調して営業再開に踏み切ったが、現場で顧客と向き合う道内の郵便局から「顧客本位の意識は組織で徹底されていない」という声が「みなぶん特報班」に相次いで寄せられた。

 営業再開初日となった5日。道内の郵便局に勤務する中堅社員は「約束チラシ」を手に顧客を訪問した。「お客さま本位の徹底」「法令・ルールの順守」など、日本郵政グループの方針を明記したチラシを配りながら「おわび行脚」した。

 ただ、職場の朝礼では上司から「きょうから訪問活動を再開する」と事務的に伝えられただけだった。「営業自粛中の研修も形式的な内容で、再発防止の意識は乏しい」と打ち明ける。

 日本郵政グループは、顧客への虚偽説明や意向に沿わない契約を勧めるなどした不正販売の発覚後、旧経営陣が退陣。不正に関わった社員の処分を行っている。8月26日に発表した日本郵便の懲戒処分の状況では、全国の営業担当者の累計603人が処分され、このうち15人が懲戒解雇だった。営業担当者の当時の管理者(郵便局長、郵便局部長)では累計236人が処分され、このうち停職が1人。他は戒告以下だった。

 道内の営業担当社員は「過度なノルマを与えて、不正な営業も励行するような姿勢だった局長ら幹部は処分されないか、されても軽い内容。これでは組織は変わらない」と憤る。

 道内の日本郵便関係者によると、9月下旬にも追加で複数の懲戒処分が行われたが、公表はされていない。日本郵便は「処分は個別ではなく、まとまった段階で公表する」と説明する。

 一方、道内の郵便局の40代社員によると、かんぽの営業自粛中も、販売委託を受けている他社の商品の営業を指示する上司もいたという。

 日本郵政グループのゆうちょ銀行で不正に貯金が引き出され、公表も遅れた問題で、ゆうちょ銀の窓口となる郵便局の社員への詳細な説明はないという。この社員は「保険の営業を再開したのだから、直接的に顧客からゆうちょ銀の問題を聞かれるのも現場の社員。上層部がいくら信頼回復を強調しても、顧客優先には感じられない」と訴えている。(門馬羊次)

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