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道内電源分散道半ば ブラックアウト6日で2年 小規模送電網・コスト高、整備の足かせ 洋上風力発電・施設巨大で停電リスクも

 胆振東部地震に伴う道内全域停電(ブラックアウト)から6日で丸2年を迎える。発生要因とされる電源一極集中の解消に向け、一部自治体や企業は分散化構想を掲げたが、その多くは今も実現していない。停電時も特定地域に電力を供給し続ける小規模送電網(マイクログリッド)はコストが高く、計画が頓挫した例も。分散型エネルギーとして国が導入を急ぐ洋上風力発電所は集中型になり得る側面も持ち、関係者は「運用を誤れば大規模停電につながる」と指摘する。


 「ブラックアウト級が起きた時だけのために多額の費用を投じても、町民の理解は得られない」。マイクログリッドの2020年度運用開始を目指していた十勝管内上士幌町の担当者は悔しさをにじませた。

■蓄電池など21億円

 同町は昨年5月、牛のふん尿を燃料とする民間バイオガス発電施設6基を活用したマイクログリッドの検討を開始。「停電のないまちを目指す」(竹中貢町長)として、災害時も町内全域に電力供給できる体制を模索した。だが蓄電池などの初期投資だけで約21億円もかかることが判明。今年2月には「平時でも収益を上げられる仕組みがないとメリットはない」(企画財政課)と事実上断念した。

 設備費用の高さはマイクログリッド共通の課題だ。

 稚内市は市営の風力発電所から複数の公共施設に電気を供給する計画を進めるが、実現には風車の出力変動を調整する蓄電池が不可欠で「数億円規模の投資が必要」(環境エネルギー課)。蓄電池の容量を減らせば風車の稼働率が下がる。来年度までに蓄電池の容量や種類を選定するが、予算との兼ね合いで慎重に検討せざるを得ないという。

 こうした費用面の問題を民間の既存設備を活用して打開しようという動きもある。渡島管内松前町は6月、東急不動産(東京)と共同で町中心部のマイクログリッド構築に乗り出した。同社は町内に風力発電所と蓄電池を保有しており、北海道電力の送電網を使えば町の持ち出しはゼロ。町幹部は「町の負担があれば着手は無理だった」と話す。

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