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秋元議員逮捕 職責を全うできるのか

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 カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件に絡み、収賄罪で起訴された衆院議員秋元司容疑者=自民党を離党=が再び逮捕された。

 容疑は支援者らと共謀し、贈賄罪で起訴された中国企業側に裁判で虚偽の証言をするよう依頼、報酬として計3千万円の現金提供を持ち掛けたとする組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の疑いだ。

 安倍政権が成長戦略の目玉としたIR事業を巡る贈収賄事件は、もともと指摘されていた事業の妥当性に対する疑念を膨らませた。

 さらに、真相究明の場である裁判の公正性を著しく損ねる証人買収など決してあってはならない。

 保釈され議員活動を再開した後に裁判に向けた不正工作を働いたとすれば、国民の政治不信を一層高める背信行為だろう。

 秋元議員は逮捕前に関与を否定していた。解明は今後の捜査に委ねられるが、このまま議員の職責を全うできるのか疑問だ。

 秋元議員は収賄容疑で2回逮捕され、今年2月に保釈された。

 その時の記者会見で贈賄側との関係について「特定の事業者に便宜を図ったことは断じてない」と起訴内容を全面的に否定、無罪を主張する考えを明らかにした。

 だが野党が要求した証人喚問は実現せず、国会で事実解明がなされる機会は訪れないままだった。

 潔白を訴えるなら、進んで国会招致に応じる姿勢を示すのが議員としての責務だったはずだ。

 自民党の対応も見過ごせない。

 安倍晋三首相(党総裁)ら幹部が本人に説明を尽くすよう促すこともせず、離党で政権の責任の所在を曖昧にする。今週初公判が行われる河井克行、河井案里議員夫妻の公選法違反事件と同じ構図だ。

 IR事業はギャンブル依存症患者の増加や反社会勢力の増長による治安悪化の懸念が指摘され、観光や地域振興の方策としてはそもそも問題が多すぎる。

 事件で負のイメージは増幅された。新型コロナウイルスの感染拡大により業界には逆風が吹き、日本進出の候補に挙がっていた米大手業者は撤退を表明した。

 政府は、当初1月としていた国内選定基準の基本方針決定の時期すら決められずにいる。

 汚職事件とコロナ禍は、不透明で弊害の大きいIR事業と手を切る機会だと捉える必要がある。

 政府はコロナ後を見据え、豊かな自然や伝統文化など日本の資源を生かした観光振興の在り方を考えることに今から注力すべきだ。

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