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財政不安 解消狙う 寿都町 核ごみ調査検討 町長「これしかない」 町民は「なし崩し」危惧

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分場選定に向けた文献調査に、後志管内寿都町が応募を検討する背景には、町が独自に風力発電所を建設・運営するなどして「稼ぐ行政」を進めてきた片岡春雄町長(71)の、将来の町財政に対する不安がある。今年、コロナ禍に襲われ、観光や水産業を中心に打撃を受けた町を救うには「これしかない」と決断した。ただ、鈴木直道知事が町の調査応募に否定的な意向を示しているほか、地元でも反対の意見があり、逆風はやむ気配がない。

 「経済が止まり、現状維持も難しい。町を救うには今、手を挙げるしかない」。片岡氏は19日、北海道新聞の取材に対し、応募を検討している理由をこう語った。


 片岡氏が文献調査に着目したのは胆振東部地震後の2018年9月。地震防災のために地質調査の対象となる補助金を探したのがきっかけだった。昨年11月には取材に対し、「文献調査で20億円はおいしい」としながらも「核のごみなんて言葉が出たら大変なことになる」と町としては応募を検討していないと答えた。水産加工業やふるさと納税も堅調に推移しており、「(最終処分場選定調査に)立候補なんてしたらふるさと納税もなくなるし、漁業などへの風評被害も出るかも」と慎重に言葉を選んでいた。

■「死に体」懸念

 ただ、人口減による産業衰退などを踏まえ、「このままだと産業振興への予算も捻出できず町は徐々に死に体になっていく」との懸念は強かった。そこに今年の新型コロナ感染拡大が追い打ちをかけた。基幹産業の漁業、水産加工業などが不振を極め、税収は落ち込む見通しとなり、今年4月、応募検討を決断した。「10年後、20年後の町のために誰に何を言われようとこれをやる。断られたら辞表を出す覚悟だ」

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