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迷走アベノマスク、数字で検証 1億3千万枚260億円かけ家庭へ 「評価」21%、追加配布は4日で転換

 政府は「アベノマスク」とやゆされた布マスク配布を巡り、介護施設向けの追加配布を取りやめ、一部を備蓄に回す。迷走を重ね、安倍晋三政権の新型コロナウイルス対応の拙さの象徴となった事業を、数字に焦点を当てて検証した。

 「全ての施設に一律に配布してきたが、現状を踏まえ、希望する介護施設等に随時配布したい」。加藤勝信厚生労働相は7月31日の記者会見でこう表明した。

 介護施設向けの8千万枚の追加配布が明らかになったのは、27日。菅義偉官房長官は28日の会見で「継続配布は有意義」と訴えたが、「使い捨てマスクを入手でき、布マスクは必要ない。高機能マスクや医療用ガウンを届けてほしい」(札幌市の社会福祉法人)などの批判が噴出し、わずか4日で転換に至った。

 布マスク配布は、首相周辺が「洗って繰り返し使えるので、全世帯に配れば国民の不安が消える」と進言し、4月1日に発表。「小さい」「エープリルフールかと思った」などと不評を買い、その後の共同通信の世論調査で「評価する」は21・6%にとどまった。

 配布が始まると虫や糸くずの混入が相次いで判明し、検品で費用がかさんだ。5月中に終える計画だったが、道内で配布が始まったのは5月16日で、政府が全世帯配布の完了を発表したのは6月15日。届かなかった世帯もある。

 配布実績は全世帯向けが1億3千万枚、介護施設や保育所が6千万枚の計1億9千万枚。費用は全世帯向けが260億円。施設向けは247億円を見込んでいたが、一部が備蓄に回ることになり、実際の額は明らかにされていない。

 不要なマスクを寄付する動きも出た。例えば連合北海道が各地に設置した回収ポストには、道内配布分の1・6%に当たる9万枚が寄せられ、児童・高齢者施設に寄付された。

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