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ススキノの働き手窮地 コロナ感染不安・誹謗中傷・収入減 生活、家族のため休めず

 札幌・ススキノの接待を伴う飲食店などで新型コロナウイルスの感染が拡大する中、こうした店で働く人たちが感染への不安や誹謗(ひぼう)中傷に悩まされている。対策が不十分な勤務先で感染におびえる一方、「感染を広げるな」と非難されることも。「夜の街」感染という言葉でひとくくりにされ、孤立感を深める人たち。「私たちだって感染は怖い。それは昼も夜も変わらない」と訴える。

■「次は私かも…」

 「生活のために働かなきゃならない」。ススキノのニュークラブで働く女性(38)は唇をかむ。離婚をし、事務員のアルバイトだけでは生活できず、3年前からニュークラブで、昨年からは店舗型性風俗店でも掛け持ちして働く。

 道独自の緊急事態宣言が出た2月末以降、ニュークラブの仕事は減り、事務員の仕事はなくなり、月収は10万円を切った。7月に入ってようやく仕事が戻り始めた直後、ススキノのキャバクラでクラスター(感染者集団)が発生した。「次は私かも…」と恐れながら働き続けた。

 最近、中学の同級生から無料通信アプリで「風俗嬢のせいで感染が広がってる」「そんな仕事やめれば」とメッセージが届いた。「下に見られている感じ」が悔しかった。「お客さんにありがとうと言われるのがうれしくて続けているのに。風俗や夜の街で働くのはそんなに悪いことなのか」

■強まる風当たり

 ススキノの接待を伴う飲食店などでは客や従業員の感染確認が相次ぎ、31日現在で23店舗44人に上る。東京などでも感染者が激増し、店名公表を求める声が出るなど「夜の街」に対する風当たりは強まっている。

 クラブで働く女性(27)は、「夜の街」で区分する社会の風潮が気になる。学生時代にスナックでバイトを始め、疲れた顔の客が笑顔で帰っていくのがうれしかった。「どんな立場の人とも楽しく話せるようになり、自分の店を持ちたい」と今も仕事の合間に本を月20冊以上読む。「働く人もお客さまも『普通』の人。夜の街というだけで嫌って避ければ、感染しても口を閉ざす人を増やすだけ」

 もちろん感染は怖い。「マスク着用で接客したい」と店に申し出たところ、オーナーは「ニコニコするのが君たちの仕事。顔が見えなくてどうするんだ」と一蹴した。「感染者が出たら店がつぶれる。感染するな」とプレッシャーもかけてくる。女性は「あまりにも都合のいい話」と憤る。

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