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道のコロナ検証 政策効果詳細に分析を

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 新型コロナウイルスへの道の対応を検証する外部の専門家による有識者会議が初会合を開き、作業を開始した。9月上旬に中間結果を公表するという。

 初回は感染の第1波への対応を取り上げ、鈴木直道知事が政府より先に出した法的根拠のない緊急事態宣言が感染拡大を抑える効果があったと評価した。

 ただ、これは感染者数の推移を追った表層的な分析と言わざるを得ない。

 科学的な論拠を明らかにせずに出された宣言は、疫学上の効果がはっきりしないまま解除され、感染の第2波に見舞われた。

 今後の検証では、こうした経緯を踏まえ、宣言や唐突な一斉休校の要請が道内経済と道民生活に強いた負担に見合う効果があったのかを明らかにすべきだ。

 初会合では「宣言が家計や経済に大きな影響をもたらした」「休校要請で福祉の働き手にも混乱が生じた」などの指摘も出た。

 しかし、これらは出席した委員が順番に一言ずつ意見を述べたもので、言い放しの感は否めない。

 道側は議事録を作成していなかった幹部会議の記録の一部を公開したものの、委員に提示したのは会合が始まる数時間前だ。

 これでは、何を根拠に宣言や休校要請を出したか、事前に副作用への対策を検討したかといった経緯を詳しく分析できない。

 検証を巡っては、道議会からの厳しい追及を受けて知事がようやく応じた経緯がある。

 9月の定例道議会に間に合わせる日程が優先され、検証の中身がおろそかになってはいけない。

 医療・検査体制について、道は重症者の治療に使う人工心肺装置の数を把握していないと説明した。それを扱える医者などの人材が足りているのかも分からない。

 道が150人分確保したとする重症者向けの病床数も、機材の充足度が不明では心もとない。

 道側が一方的に提供するデータや記録をなぞるだけでは、検証結果に信頼を得られないだろう。

 委員自らが道幹部や医療現場に聞き取りを行うなどして、これまでの対応でできたことと、足りないことを忌憚(きたん)なく話し合う姿勢が求められる。

 休業への協力金などを巡り、国と地方の役割分担が課題になっている。全国で最も早く感染が広がった北海道こそ、全国に発信すべき教訓があるはずだ。

 それは、結論が予想できるような検証では導き出せない。

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