PR
PR

ふるさと納税

[PR]

法の運用を巡り、国や自治体の間で対立した時、どう解決するか。日本で初めて高齢者の医療費無料化を実現した岩手県沢内村(現西和賀町)の例が興味深い▼1960年当時の国民健康保険は10割給付を認めておらず、法に反していた。だが、生命尊重行政を掲げる村は譲らない。すると、岩手県の厚生課長は「なんとか法に触れないような解釈を考えてみませんか」と提案。村は保健活動の一環としての治療という理屈で無償化を実現する(「村長ありき」れんが書房新社)▼苦肉の策だが、その後、国の政策として70歳以上の医療費無料化が一時実施されたことを思えば、血の通った行政は国をも動かすということではなかろうか▼豪華な返礼品で多額の寄付を集める手法が制度の趣旨を逸脱しているとして、総務省がふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を外したことの妥当性が争われた訴訟で最高裁はきのう、処分は違法と判断し、取り消しを命じた。制度改正前の募集行為を除外理由とした総務省のやり方は、法の不遡及(そきゅう)の原則にも反する。妥当な判決だろう▼とはいえ、インターネット通販大手のギフト券を返礼品とし、497億円もの寄付を集めた泉佐野市の手法も決して褒められたものではあるまい▼まずは、当事者が話し合うことが制度改善にもつながろう。知恵を持ち寄ることで解決の道があることを沢内村から学びたい。2020・7・1

北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る