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原爆の記憶、絵本で継ぐ 道被爆者協が販売 マリア像題材に

 道内で唯一の原爆資料館「北海道ノーモア・ヒバクシャ会館」(札幌市白石区)に展示する遺品のマリア像を題材に、被爆者の思いや会館設立の歩みを描いた絵本「北の里から平和の祈り ノーモア・ヒバクシャ会館物語」(北海道新聞社刊)が書店などで販売されている。会館を運営する北海道被爆者協会が完成させた。広島、長崎への原爆投下から75年。同協会は「被爆の記憶を継ぐため、幅広い世代に手に取ってほしい」と話す。

 物語は、長崎で被爆し両親を失った7歳の「まり子」が主人公。マリア像を抱え、祖母とともに親戚を頼って札幌に移り住む。文を、広島への原爆投下を描いた絵本「いのりの石」などを手がけた児童文学作家こやま峰子さん、絵を絵本作家藤本四郎さんが担当。

 物語は、1991年12月に開設された北海道ノーモア・ヒバクシャ会館の建設経緯も描く。被爆で焼けた屋根瓦や遺品など約200点を所蔵する民間初の原爆資料館だ。道内に移り住んだ被爆者が「気兼ねなく話せる憩いの場がほしい」と願い、市民らの寄付で完成した。物語の最後、大人になったまり子はマリア像を同館に寄贈する。

 絵本の構想が生まれたのは2年前。こやまさんが初めて同館を訪れ、展示品の首の折れた大きさ20センチほどのマリア像に目を奪われ、着想した。マリア像は長崎で被爆した三笠市の久松信行さん(故人)が約20年前に寄贈した。

 製作にあたり同協会は、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングを実施。費用約180万円のうち88万円を寄付でまかなった。国外への発信も見据え、北星学園大生による英訳も併記した。

 同協会の北明邦雄事務局次長(72)は「原爆が落とされた事実にいま一度、触れてほしい」。長崎で被爆した札幌市厚別区の宮本須美子さん(82)は「まり子を自分と重ね合わせ、胸がいっぱいになります」。

 A4判32ページ。2200円(税込み)。同協会や道内の書店、道新販売所などで販売。問い合わせは同協会(電)011・866・9545、または北海道新聞出版センター(電)011・210・5744へ。(岩崎あんり)

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