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次亜塩素酸水の有効性不透明 施設の消毒「方法示して」 代替品見つからず

 新型コロナウイルスの消毒剤として、飲食店や公共施設などで使われてきた「次亜塩素酸水」の使用を止める動きが道内で出ている。経済産業省などが5月下旬、拭き取りなどの消毒効果について「現時点で有効性が確認できず、継続調査が必要」とする中間報告を公表したため。だが代替品はなかなか見つけることができず、現場関係者は「消毒のための適切な対処法を示してほしい」と困惑する。

 札幌市東区でスポーツチャンバラなどを教える浅沼礼治さん(69)は、3カ月ぶりに再開した教室で6月上旬、次亜塩素酸水の代わりに急きょ用意した別の消毒水を道場内に噴霧した。

 これまで次亜塩素酸水約10リットルを購入していたが、経産省の中間報告を知って使用を止め、中性に近く安全性が高いとされる消毒水を見つけて切り替えた。浅沼さんは「教室の生徒は幼児から高齢者まで幅広い。次亜塩素酸水で対策できると思っていたのに、どう対応すればよいのか」と戸惑う。

 次亜塩素酸水は道内の学校でも利用が広がっていたが、道教委は「噴霧について有効性及び安全性は明確になっていない」などとする4日付の文部科学省の見解を、各校に通知した。

 釧路市内の小学校は、市教委から配布された次亜塩素酸水を手の消毒に使っていたが中止した。ただ代替品の入手は難しく、物品の消毒に限って使用を続けている。同校の50代教諭は「因果関係は分からないが、手指の消毒後に肌が荒れた児童もいた。子どもたちの健康にも関わることで、効果があるのかないのか、早くはっきりさせてほしい」と訴える。

 次亜塩素酸水は、インフルエンザウイルスや細菌の消毒についての有効性は認められている。政府は新型コロナへの効果に言及してこなかったが、感染拡大で品薄になったアルコール消毒液の代替品として流通し、住民に配る自治体も相次いだ。大がかりな噴霧装置を設置する動きもあり、経産省は有効性についての調査を独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に依頼。NITEは5月29日、十分に効果が確認できないとする中間報告を示した。

 一方で、北大の玉城英彦名誉教授(疫学)らによる研究グループは、NITEと同様の条件で調査を行い、新型コロナに対する消毒効果が確認されたとする実験結果を公表した。玉城名誉教授は「手の消毒や物品の拭き取りには有効と期待できる」と話す。ただし「空間噴霧については検証方法が十分に確立されておらず、さらなる研究が必要」としている。

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