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コロナ、住まい奪った 国の家賃補助制度、実態に追いつかず 民間が受け皿に

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、生活の基盤である「住まい」を失うほど窮地に追い込まれた人々がいる。家がなければ、国が家賃を補助する住居確保給付金などの支援制度につながることすらできない。札幌市のホームレス支援団体では相談が昨年の倍に急増し、一時的な住まい「シェルター」の提供数を増やして対応。関係者は「景気悪化の影響が深刻さを増す中、住まい確保の対策を徹底すべきだ」と訴える。

■業績悪化で失業

 政府が緊急事態宣言を全国に発令した4月中旬、男性(53)は札幌市中央区の大通公園にいた。道央のホテルに調理師として勤務していたが、業績悪化で職を失い、社員寮にも住めなくなった。かばんには所持金2万6千円のほかは、手書きのレシピノート10冊が入っているだけだった。

 2日に1度、100円のおにぎり1個を食べ、パーカにジーパン姿で植え込みで寝る毎日。仕事を探して飲食業など計80社に電話したものの断られ、5月中旬、所持金は800円に。スマートフォンで「仕事ない 家ない」と検索し、札幌市ホームレス相談支援センター「ジョイン」のホームページにたどり着いた。

 ジョインのシェルターで半月ほど暮らし、今月から生活保護を受けてアパートを借りた。「当時は職探しで頭がいっぱい。行政に助けを求める考えを持てなかった」と男性は言う。

 ジョインによると、新型コロナ感染拡大の影響を受けた人からの相談は4月が43件、5月が46件。それぞれ前年同月の相談件数の倍以上だ。相談者の年齢は18~58歳と幅広く、13人は失業と同時に住居を失い、うち9人はジョインのシェルターを利用した。

■住宅提供拡充へ

 国の生活困窮者自立支援制度の住居確保給付金は、あくまで家賃の補助で、住まいを失えば受け取れない。ジョインのシェルターの定員は計約40人と限られており、5月から8人分増設したものの、ほぼ満室の状態が続く。ジョインの小川遼・相談支援員は「住居確保給付金を受けられたとしても、支給期間(最長9カ月)を過ぎたころに住まいを失う人がさらに増えるかもしれない」と危機感を強める。

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