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無症状者「遅すぎる」 PCR検査、濃厚接触全員対象に 検出時期不明、精度に限界 実効性に疑問も

 新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査を巡り、国は5月下旬、濃厚接触者について、それまで症状のある人に限っていた検査対象を、無症状者を含めた全員に拡大した。濃厚接触しながら検査が受けられなかった道内の当事者は「方針転換が遅すぎる」と憤る。長期間仕事を休んだり、不安に苦しんだりしてきたからだ。ただPCR検査は、無症状者からウイルスがどの程度検出できるかがよく分かっておらず、関係者には「全員検査しても感染の実態は把握できない」との戸惑いもある。

■不安でたまらず

 「自宅で夫の体調が急変したらどうしようかと不安で仕方なかった」。千歳市内の女性(70)は打ち明けた。夫(71)の通う通所介護施設で5月上旬、利用者の新型コロナ感染が分かり、夫は濃厚接触者とされた。だが特に症状がなかったため、PCR検査は「対象外」と言われた。施設から日に2回、健康確認の電話があるだけ。外出自粛は求められなかったが、夫は別の通所施設の利用も自主的に控えた。2週間たっても夫に症状は出ず、女性は「ほっとした」が、「もっと早く全員検査してくれたら不安も少し減ったのに」と漏らす。

 国はこれまで、クラスター(感染者集団)の継続的発生や医療従事者感染を除き、無症状の濃厚接触者の検査は行わず、感染リスクを低減した上で2週間の健康観察を行うとしてきた。

■休みは自己責任

 「白とも黒ともつかない状態で過ごすのはつらい」。4月に家族の感染が分かり、濃厚接触者とされた札幌市内のタクシー運転手の60代男性は迷った末、約1カ月仕事を休んだ。この間、保健所から過ごし方や注意点などの説明はなく、検査を受けないまま5月下旬、仕事に復帰した。

 休職の間の収入はふだんの半分以下。男性は「陰性か陽性か分からないから、仕事を休んでも自己責任。かと言って、休まず周囲に感染を広げたら責められるのは自分。いずれにしろ負担は大きい」と嘆く。

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