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<コロナ・ショック 現場は今>待てど走れど… タクシー苦境 歩合制、月収半減

 新型コロナウイルスの感染拡大で、国内外からの観光客の人波が消えた北海道。2月下旬の道独自の緊急事態宣言もあって、道民は実質的に約3カ月間の自粛生活を強いられており経済への打撃も深刻だ。人の移動や観光動向が売り上げに直結するタクシー業界は苦境が続く。札幌市内タクシー会社の女性ドライバー(58)の1日を追い、厳しい実情を目の当たりにした。

■2時間動かず

 勤務開始の午前8時。すでに配車予約の入っていた高齢女性が1人目の乗客だった。札幌市西区発寒から中央区内の病院までで2千円超え。少し前の土曜日に1日の売り上げが3千円台だったこともあるだけに「さい先がいい」と喜んだ。

 その後は何人かの客を乗せたが続かない。午後0時半から中央区内の病院前でタクシー10台以上が待つ列に並んだ。車内で事前に買っていたコンビニ弁当を食べて待つ。2時間15分後、ようやく客が乗った。

 タクシー運転手は歩合制賃金で、2月に約30万円あった月収は4月で14万円ほどになった。息子と2人暮らしで、女性1人で家計を支える。「この状態が続けば光熱費も払うのが厳しくなる」と言葉少なだ。

■9時間で6組

 女性ドライバーはこの日、会社が新たに始めた飲食店の宅配サービスの注文もあった。スープカレー店へ行き、商品ができるまで30分待ち、利用者の元へ届ける。注文から配達まで所要約1時間で、店と利用者からもらえるのは合計800円。「1時間誰も乗らないよりいいか」。この日請け負った注文は1件のみ。乗客が減る中、タクシー会社は新たな収入源確保に乗り出すが、どこまで浸透するかは未知数で、各社の模索は続いている。

 病院帰りの客を乗せることも多く、換気のため、寒くても車内の窓は開けっ放しだ。現金を触った手は持ち込んだ消毒液で殺菌を欠かさない。「感染リスクはあるけど、『タクシーがあって助かるよ』と声をかけられ、励まされている」

 午後5時勤務終了。9時間走って乗車は6組、売り上げは9910円。「これでも最近では良い方よ」。感染拡大前、1日で多いときは3万円ほどあった売り上げは3分の1以下に減った。

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