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<デジタル発>DV被害者を支援する女性 兄からの性暴力被害語る

 2019年3月、19歳の実の娘に対する準強制性交罪に問われた父親に、名古屋地裁岡崎支部は「娘が抵抗不能の状態だったとは言えない」として無罪判決を言い渡した。ほかの地裁でも、女性の抵抗の弱さと男性の認識が争点となった裁判で無罪判決が相次いだ。

 こうした判決について、性虐待の被害者らは「被害者の弱い立場が分かっていない。不当な判決だ」と憤慨。性暴力の根絶を願う「フラワーデモ」が全国に広がった。

 名古屋高裁は20年3月、名古屋地裁岡崎支部が無罪とした父親の控訴審判決で、娘が抵抗することが著しく困難な状態だったことを認め、逆転有罪を言い渡した。

 北海道に住む30代女性の早希子さん(仮名)は、小学校低学年から中学生まで、兄から性暴力を受けた。「性暴力被害を言い出せない理由を考えてほしい。言えないからといって被害がなかったことにはならない」と力を込めつつ、自身の体験を記者に語った。

 早希子さんは今、北海道の福祉施設で、配偶者からドメスティックバイオレンス(DV)を受けた女性や子どもを支援する仕事をしている。心身共に傷ついて施設を訪れる人たちに、早希子さんは寄り添う。「私が一緒にいる。絶対、大丈夫になる」「私があなたの家族。私の周りが避難所だから」と一人一人に向き合う。

 家族間の性暴力は社会からタブー視されてきた。被害者たちは自分自身を責め、そして社会から孤立してきた。何年たってもつらい被害の記憶が急によみがえる「フラッシュバック」に襲われたり、「消えたい」と自分自身を否定したりすることもある。それでも懸命に生きていこうとする人の一部は、自らを「サバイバー」と呼ぶ。早希子さんもその一人。

 早希子さん自身が語った早希子さんの体験を紹介する。踏みにじられた被害者の尊厳を、少しずつでも取り戻していく社会にするために。

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