PR
PR

<みなぶん>教えて!新型コロナ 十勝感染者3人なのは検査数少ないから? PCR、人口比最少 全員検査求める声

 新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査について、帯広市の読者から「十勝管内の感染確認が少ないのは検査人数が少ないからでは」という問いが「みなぶん特報班」に寄せられた。4月27日までの道内1万人当たりの検査人数は、最も多い留萌管内の24・0人に比べ、十勝管内は2・5人と最も少なく、10倍近い開きがある=表=。専門家は感染が多いと検査も多くなるとする一方、感染が広がると影響が大きい医療現場を中心に検査を強化するべきだと指摘する。

 PCR検査の実施は、国の指針に基づいて主に保健所が判断し、地方衛生研究所などが行う。新型コロナに感染して入院した患者が退院するには、期間をあけて2回検査を行い、いずれも陰性となる必要がある。道内は1月から道立衛生研究所や札幌市衛生研究所などが検査を行っている。

 道内各地の1万人当たりのPCR検査人数は、道のほか、札幌、旭川、函館、小樽各市の保健所によると4月27日現在、最多の留萌管内の24・0人に次いで、石狩管内(札幌市を除く)が23・7人、檜山管内が23・1人。札幌市は、全道平均とほぼ同じ11・0人だった。札幌と小樽両市以外の人数は、退院時の陰性確認のための検査なども含む延べ数。

 これに対し、1万人当たりの居住地別の感染者数は同日現在、最多が石狩管内の2・5人で、札幌市内の1・8人、オホーツク管内の1・6人と続く。十勝管内は検査人数が2・5人、感染者数は0・1人で、いずれも最も少ない。

■態勢構築が急務

 検査人数に地域差が生じることについて、千葉大大学院の樋坂章博教授(臨床薬理学)=岩見沢市出身=は「感染者が少なければ、検査数も伸びない傾向にある。大事なのはクラスター(感染者集団)が発生しても余裕を持って対応できる検査態勢の構築だ」と強調する。

 検査対象を限定せず、希望者全員を検査すべきだとの声もあるが、樋坂教授は、検査には誤差があり、対象を拡大すると感染症対応に問題が起きる恐れがあると指摘する。「PCR検査は、感染の可能性が低い人をたくさん検査しても、検査の精度に限界があるため、間違いの割合が増えて検査が役に立たず、混乱を招く」と説明する。

■医師判断に条件

 PCR検査は3月から保険適用となり、通常の診療でも医師の判断があれば医療機関でも検査が可能となった。だが医師の判断には、症状などに一定の条件が必要で、希望者一律の検査は認められていない。

 ただし地域医療や介護に大きな影響を及ぼしかねない医療機関や介護施設については別の指摘もある。富山大の折笠秀樹教授(臨床統計・疫学)は、医療や介護従事者のクラスター防止のため、「施設を利用する患者や職員らは症状などの条件を満たさなくても原則全員にPCR検査をすべきだ」と訴える。

 道によると、道内の現状の検査能力は1日400人超。札幌市は5月1日に検体の採取に特化したPCR検査センターを開設し、態勢の強化を進めている。(佐藤圭史)

 <ことば>PCR検査 喉や鼻などの粘液に含まれるウイルスの遺伝子を綿棒でこすって採取し、専用の装置で増幅して検出する。感染初期などでウイルス量が少ないと検出できない場合もある。国の指針では、37・5度以上の発熱か呼吸器症状がある人で、感染者との濃厚接触歴や、入院を要する肺炎の疑いがあるケースなどが、検査対象として挙げられている。


 北海道新聞は、読者のリクエストに記者が取材して応える「みんなで探るぶんぶん特報班」(みなぶん)をスタートさせました。

 この手法は「オンデマンド調査報道」(JOD=Journalism On Demand)と呼ばれ、読者と記者が会員制交流サイト(SNS)やメールなどを通じて情報交換しながら取材を進めていく双方向型の新たな調査報道として注目されています。

 読者の皆さんが日々の暮らしの中でキャッチした疑問や声を取材の出発点に、記者と共同作業で謎を解き明かしていきます。

 情報提供や取材依頼のほか、取材をサポートする「みなぶん通信員」への登録をお待ちしています。詳しくは「どうしん電子版」特設サイトをご覧ください。

PR
ページの先頭へ戻る