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学費が稼げない 飲食店や塾、バイト先相次ぎ休業 国に支援求める動きも

 新型コロナウイルスの感染拡大で休業要請が広がる中、大学生の主なアルバイト先だった飲食店や学習塾の経営悪化や休業が相次ぎ、自力で学費などを賄う道内の大学生が追い詰められている。生活費を切り詰めるものの感染の終息は見通せず「このままでは大学をやめるしかない」。道外の大学に子どもを通わせる飲食店経営者も「何とか卒業させたい」と悩む。大学生が自ら支援金の給付を求める署名活動も始め、専門家は「学ぶ機会が奪われないような対策が必要」と指摘する。

 「このままだと、休学するしかない」。北大教育学部3年の佐藤蓮さん(20)は、焦りを募らせる。

 佐藤さんは新潟県出身で1人暮らし。学費以外の食費や家賃などの生活費は、奨学金と月約7万円のバイト代で賄ってきたが、アルバイト先の学習塾が今月中旬に休業。4、5月のバイト代はほぼゼロだ。食費を切り詰め、貯金を切り崩して生活を続ける。別なアルバイトも探すが、求人はほとんど無い。佐藤さんは「国や大学は学費免除などで、安心して大学に通える態勢を整えてほしい」。

 道北の大学に通う男性(21)は週3~4回、ファストフード店でアルバイトをし、月約5万円で生活をやりくりする。3月以降は時短勤務になり、バイト代は月1万円ほど減少。「バイトが減れば暮らしていけない」。学費は奨学金で賄っているが、1人暮らしのため、家賃や光熱費の支払いでぎりぎりの生活を送る。

 道東出身で、実家はパソコンなどの機器修理を行う自営業。個人客との対面業務がほとんどなくなったことで業績は悪化しており、「仕送りで親に負担はかけられない」。大学をやめなければいけないのか…。最悪の想定も頭をよぎり、男性は「バイト頼りの学生にとって死活問題」と話す。

 今年4月に長男が道外の大学に進学した空知管内の男性(50)は、経営する飲食店の3、4月の売り上げが、新型ウイルスの影響で半減。長男の学費や生活費は、進学用の貯金で賄っているが、「従業員の生活を考えると、このまま先が見通せなければ貯金に手をつけることになるかもしれない」。男性は「自分の最終学歴は高卒で苦しい思いもしてきた。息子は大学を出させてあげたい」と涙ぐむ。

 大学生が自ら国に支援を求める動きも出てきている。石狩市出身で早稲田大政経学部3年の高橋ゆいさん(20)は13日から、《1》経済的に困窮している大学生の支援《2》帰省できずに自宅で孤独になっている学生の精神的ケア―を求めるインターネット上の署名活動(http://chng.it/g88TR4KpVK)を開始。10日間ほどで4500筆を超える署名が集まり、24日には文部科学省などに提出した。高橋さんは「全国の大学生は政治に関心を持って自ら声をあげてほしい」と呼び掛ける。

 大学生のアルバイト事情に詳しい北海学園大の川村雅則教授(労働経済学)は「生活のためバイトに依存せざるを得ない学生は多く、休業補償もないまま勤務日数を減らされると、学ぶ機会が奪われかねない。生活支援金の給付や学費の延納・分納を進めるなど、大学や国が支援する仕組みが必要だ」と話す。(下山竜良、川崎学)

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