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急患拒否、札幌3割増 3月以降前年比 院内感染警戒か

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く札幌市内で、発熱やせきなどを理由に119番した患者が5カ所以上の病院に受け入れを拒否されるなどの事例が3月以降、急増している。市消防局の調べによると4月20日までの累計は520件で、前年同期比で3割増。病院側が札幌圏を中心に急増する新型ウイルスの院内感染を強く警戒していることが背景にあると市はみており、関係者は苦慮している。

 東京などで救急患者の受け入れ拒否の事例が報道されたことを受け、市消防局が札幌の状況を把握するために調査を初めて実施した。速報値によると5カ所以上から拒否されたり、搬送先が20分以上決まらなかったりした事例は、3月が前年同期比59件増の336件、4月は20日現在で同61件増の184件。中には10カ所以上、受け入れを断られた患者もいたという。

 市消防局によると3月以降、発熱やせきなどを新型コロナウイルス感染症と疑って119番する人は増えているが、「発熱やせきがある人なら受け入れを断る」という病院は目立ってきた。市消防局が保健所に患者の症状を伝え、保健所が感染の可能性を低いと判断し、病院と調整した上で、ようやく搬送できた事例もあった。

 520件のうち、搬送中の患者の容体が悪化したケースはないという。ただ市消防局は「今後、同様の事例が増えれば患者が重症化する事態も起きかねない。救急隊員の負担も増している」と話す。

 受け入れる側の病院の苦悩も大きい。市内のある中核病院では、下痢の症状で救急搬送され、入院した高齢女性をコンピューター断層撮影装置(CT)で検査すると肺炎が発覚し、急きょ、保健所に感染の有無を調べるPCR検査を依頼したことがあった。結果は陰性だったが、同病院の医師は「常に感染と隣り合わせにあると再認識した。搬送患者は感染しているという前提で対応しなければならない」と負担の重さを訴えている。(五十嵐俊介)

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