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JRの経営 気がかりな再建の行方

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 JR北海道が、新型コロナウイルスの感染拡大による運行本数の減少に対応し、来月から社員の2割を一時的に休ませる「一時帰休」を行うことを決めた。

 訪日外国人客の激減などで3月の鉄道運輸収入は前年同期のほぼ半分に落ち込んだ。国の雇用調整助成金を活用し、賃金を維持する一時帰休の実施はやむを得ない措置だろう。

 気がかりなのは、今後の経営再建と路線見直しの行方である。

 収益源の札幌圏や都市間輸送の需要減が長引くことで、赤字路線の存廃の前提が変わることはないだろうか。

 JRは新型コロナの影響が長期化した場合の経営見通しを早急にまとめた上で、今後の支援の在り方について道や沿線自治体と話し合う場を設けるべきだ。

 JRは単独では維持困難とする13区間のうち8区間を公的支援によって存続させ、5区間をバス転換する方向で国、道、沿線自治体に協力を要請している。

 国は2019年度から年200億円の経営支援を行っているが、根拠となる国鉄清算事業団債務等処理法は本年度で期限が切れる。

 このためJRは、法改正で年200億円の支援を10年継続するとともに、8区間維持のため別枠で年80億円規模の財政支援を国と道、沿線自治体に求めている。

 こうした支援を前提に31年度に「経営自立」を果たすというのが、JRが中期経営計画と長期経営ビジョンで示したシナリオだ。

 感染拡大の終息が見通せない中で、このシナリオを維持できるのか。JRは中長期計画を再検討し、路線見直しへの影響について速やかに明らかにする必要がある。

 道も思考を切り替える必要があろう。JRが求める財政支援について鈴木直道知事は、8区間を維持する経費の負担には応じないと明言し、国を中心とした支援策を講じるよう主張している。

 道と沿線自治体の厳しい財政事情を考えれば、年間数十億円規模の負担は非現実的とも言える。

 とはいえ新型コロナ感染拡大による外出自粛で、今や全国の中小企業の多くが倒産危機に直面し、生活に困窮する人も増えている。

 すでに年間200億円の支援を得ているJRへの支援増額を単に国に要求するだけで、国民の理解を得ることができるだろうか。

 国に解決を丸投げして思考停止に陥るのではなく、路線維持のために地元ができることがないか、改めて知恵を絞りたい。

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