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①コロナでも続く「億」の投資 「ニセコは安全資産」

 ニセコ地域の中心部ひらふ地区は今、2カ月前までの喧騒(けんそう)がうそのように静まりかえっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響はニセコ地域も直撃し、「3月の稼働率は10%ほど」という宿泊施設もある。シーズン終盤の稼ぎ時を失った多くの飲食店が営業を短縮。あっという間ににぎわいは消えた。

■8億円、10億円・・・次々と

 影響や不安を聞こうと、2002年からリゾート物件の売買を手掛けるニセコリアルエステート(後志管内倶知安町)のベン・カー社長を訪ねた。すると、意外な答えが返ってきた。「この冬にニセコを訪れた投資家が今、多くの物件を買っている。人はいなくても取引は続いているよ」

 3月下旬、ひらふ地区に建設中の大型コンドミニアム「セツニセコ」の最上階にある8億円超の部屋を、中華系の投資家が現金で購入した。同時期には、大型の貸別荘2棟を10億円超で買ったカンボジア人もいた。株式など他の金融資産が不安定な値動きの中、「ニセコの不動産は安全資産とみられている」(カー氏)。

 08年のリーマン・ショックでは、不動産の売却に関する問い合わせが相次いだが、今はない。倶知安観光協会の吉田聡会長も「資金が逃げるとの危機感は聞かない」と話す。

1月開業の「パークハイアットニセコHANAZONO」。奥の高層棟が投資家に分譲されたレジデンス棟(中川明紀撮影)
1月開業の「パークハイアットニセコHANAZONO」。奥の高層棟が投資家に分譲されたレジデンス棟(中川明紀撮影)


 98平方メートルの部屋が2億円超―。今年1月開業した世界有数のブランドホテル「パークハイアット」の部屋も東京都心部と見間違うような価格で販売された。

 2億円超の部屋を購入した投資顧問会社十字屋ホールディングス(東京)は「資産としてまだ割安。都心の一等地より伸びしろがある」(安(やす)宏太郎執行役員)とみる。

■パークハイアットの部屋の主は

 ニセコのキセキ取材班が登記簿から部屋の持ち主を調べると、3月下旬段階で判明した98室のうち52室を日本の個人投資家か法人が購入していた。ニセコ地域への資金流入は海外からだけではなくなっている。

 3月公表の公示地価で、倶知安町は住宅地、商業地ともに3年連続で全国トップの上げ幅を記録した。新型コロナ禍でも投資家の熱は冷めていない。世界的なリゾート「NISEKO」を生む力になっている割安感。その背景を探った。

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