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<コロナ・ショック 現場から>在宅医療、苦心の日々 高齢患者、感染なら重症化 防護用具は手作り、代用

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、在宅医療に携わる医師や看護師が苦戦を強いられている。患者の多くは足腰が不自由で外出がままならず、基礎疾患もある高齢者で、感染すれば重症化の恐れもある。ただ、マスクや消毒液は慢性的に不足し、医師らは自身や患者が感染しないよう平時以上に注意を払うことを求められている。その緊張感と向き合う現場を見た。

 「普段は必要ないけど、唾液は感染源になるから」。3月24日、札幌市西区のマンションで女性患者(69)を診た矢崎一雄医師(68)は布製の手作りマスクで顔を覆い、使い捨て手袋を着け、人工呼吸器のチューブを手際よく交換した。

■診察時は緊張

 矢崎さんは在宅療養支援を行う静明館診療所(中央区)の院長。医師5人、看護師8人で訪問診療し、患者約300人の大半は基礎疾患のある高齢者だ。女性も難病で3年前から矢崎さんに診てもらっている。

 女性は夫(69)に車いすを押してもらい、買い物や散歩に行くのが楽しみだった。だが、新型ウイルスの感染拡大で生活は一変。感染を懸念して外出はほぼやめ、介護ヘルパーの訪問も1時間から30分に短縮した。夫は「本当は衛生管理のプロの医師やヘルパーでも家に来るのは心配。でも欠かすわけにもいかない」と葛藤する。

 矢崎さんもその心配を理解するだけに、診察時はいつも以上の緊張を強いられる。治療法も定まらない未知のウイルスに直面しているのに、マスクなど感染防止に不可欠な医療品が医療現場ですら手に入らないため、なおさらだ。

■「腕の見せ所」

 政府は3月中旬、全国の医療機関にマスク1500万枚を配布すると決めたが、静明館診療所に届いていない。今は職員手作りのマスクなどでしのいでいる。アルコール消毒液も不足し、訪問診療では液体せっけんを持参。発熱した患者の診察時は防護服代わりにレインコートを着用し、ゴーグルも量販店で買ったものを代用することにしている。

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