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新型肺炎と政権 批判に耳傾けるべきだ

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 衆院予算委員会はきのう、安倍晋三首相と関係閣僚が出席する集中審議を行い、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大への政府対応を巡り論戦が交わされた。

 未知の感染症により国民の不安が強まり、経済や社会への影響が広がっている。政府には現場の実態を把握して的確に意思決定し、国民に分かりやすく情報を伝えて理解を得ることが求められる。

 そのためには批判にも謙虚に耳を傾け、問題点を率直に認める姿勢が必要だ。批判への強弁や責任逃れに終始するような、これまでの安倍政権お決まりの対応では不安は増すばかりだろう。

 野党が問題視したのは、検査の拡大がなかなか進まないことだ。

 政府は最大で1日約3800件の検査が可能としているが、加藤勝信厚生労働相は18~24日の実施件数は約6300件で、1日平均約900件だったと明らかにした。あまりに少なすぎないか。

 発熱が続く患者に対して医師が感染を疑っても、保健所が指定医療機関への紹介を断るなどして検査が受けられないケースが相次いでいるとの指摘もある。

 事実なら由々しき話であり、原因がどこにあるのか、早急に調べて手を打つ必要がある。

 25日に公表された政府の基本方針では、自治体や民間の検査機能の向上を図るとしている。いつまでにどの程度の体制拡充を目指すのかを明確に示すべきだ。

 クルーズ船から下船後に感染が確認されたり、発熱症状が出た乗客が相次いでいることも批判の的となっている。

 船内検査で陰性でも、潜伏期間を経て陽性になるリスクが懸念されていたのに、政府は下船後も一定期間の隔離措置を取らずに公共交通機関での帰宅を認めた。

 加藤厚労相は「陽性の方が出ている現実は受け止めなければならない」と述べた。一連の対応の徹底検証が必要となろう。

 感染拡大を抑制できるかどうかは「この1、2週間が瀬戸際」と政府の専門家会議は強調する。なのに対応は厚労省任せで、政府全体の危機意識が感じられないとの野党側の指摘はうなずけた。

 基本方針は学校の休校措置など他省庁にまたがる内容なのに、記者会見で公表したのが首相ではなく加藤氏だったのはその一例だ。

 首相はきのうになって、政府対策本部で大規模イベントの自粛要請を表明した。会見し、国民に直接語りかけるべき話だ。ちぐはぐな対応だと言わざるを得ない。

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