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辺野古軟弱地盤 移設はもはや非現実的

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 政府が進める米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について、沖縄の人々は1年前の県民投票で「ノー」という答えを明確に突き付けた。

 政府がそれを無視し、移設ありきで埋め立てを強行し続けていることは、断じて認められない。

 さらにここに来て、都合の悪い事実を隠そうとする安倍晋三政権の姿勢がまたもあらわになった。

 軟弱地盤を巡り、政府が改良工事は不要としていた深い地層について「軟弱」であることを示す新たなデータが存在していた。

 この地層のサンプルを採った実測データはないとしてきたが、防衛省が昨年3月、国会提出した資料の巻末に英文で記されていた。

 防衛省は受託業者による自主的な簡易調査で、信頼性が低いと説明する。詭弁(きべん)と言うほかない。

 地質学の専門家チームの試算では、このまま工事を進めると護岸が崩壊する恐れがあるという。

 もはや政府の計画は非現実的だ。工事はただちに中止しなくてはならない。

 防衛省の報告書などによると、沿岸部の軟弱地盤は、海面から最大で約90メートルの深さにまで達する。

 だが防衛省は最も深い場所で正規のボーリング調査をせず、離れた場所のデータから、海面下70メートルまでの地盤を改良すれば護岸の施工は可能と結論付けている。

 日本企業の地盤改良の実績は海面下70メートルまでだ。政府の説明はそれに合わせた疑念が拭えない。

 海面下70メートルより深い地層も軟弱であることは昨年3月、防衛省の報告書に記されたセンサーによる調査からも判明していた。国会で追及されたが、この時も防衛省は信頼性が低いとして無視した。

 事実に目をつぶり、政権の都合に合わせて「政策の正当性」を繕っていくやり方は、今国会で問題になっている検察官の定年延長や「桜を見る会」と同根である。

 防衛省が昨年末発表した地盤改良工事に伴う計画見直し案では、普天間返還は当初の2022年度以降から30年代以降に大幅に遅れ、総工費は1兆円規模に膨らむ。

 だがそもそもこの案は、海面下70メートルより深い地点の地盤改良は想定していない。科学的根拠に乏しい移設計画など無意味であろう。

 政府は来月にも設計変更を県に申請する方針だが、玉城デニー知事は認めない考えを示している。

 政府が辺野古移設に固執するほど、普天間の危険性除去は遠のくことになる。その認識に立って解決策を探らなければならない。

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