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道警ヤジ排除 説明拒めば疑問は募る

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 道警の警察官らが昨年7月、安倍晋三首相の参院選の街頭演説中、ヤジを飛ばした市民を排除した問題で、北海道弁護士会連合会が経緯の調査結果と法的根拠を公表するよう求める声明を出した。

 声明は、昨年9月に続き2度目となる。発生から半年以上が過ぎてなお説明をしていない道警は、責任を放棄していると言わざるを得ない。声明が速やかな公表を求めたのは当然だ。

 ヤジの排除を巡っては、憲法が保障する言論の自由を侵害する恐れがあったばかりか、公正な選挙の実施をゆがめかねないとして、道警の政治的中立性に重大な疑念を生じさせた。

 トラブル防止のための正当行為と主張する一方で、法的根拠については「確認中」と繰り返す道警の態度は、不誠実だ。到底道民の信頼を得ることはかなわない。

 排除された男性は、札幌地検に対し、特別公務員職権乱用などの疑いで告訴状を提出する一方で、損害賠償を求める訴訟も起こした。

 疑問に答えない道警の態度が、こうした事態を招いている。

 道警はもちろん、警察の民主的運営を管理する道公安委員会とその任命権を持つ鈴木直道知事は、そのことを肝に銘じるべきだ。

 声明は排除行為について、表現の自由と民主主義、政治的少数者に対する深刻な脅威だと批判。法的根拠の説明が不可欠と訴えた。

 警察官は、法令に基づき逮捕や家宅捜索など強制力を伴う権限が与えられた存在だ。より高い中立性が求められる。

 道警によるヤジの排除行為は、自由な言論の空間を萎縮させる恐れがある。市民の政治的発言が不当に抑圧されるようになれば、民主主義は空洞化する。

 警察法が警察の権限の乱用を厳に戒め、不偏不党かつ公平中正を旨とするのもそのためだ。

 声明は、道公安委員会にも、道警に対し早期の対応を促すよう求めた。委員会を所轄する知事の責任も軽くはない。

 知事は昨年、道議会や記者会見で道警に対し速やかな対応を求めたが、公表には至っていない。

 このまま先延ばしするのであれば、道民への責任を果たしたことにはならない。政治的指導力を発揮して公表を促すべきだ。

 警察は、職務に関する苦情の処理結果を公安委員会に報告する義務がある。その権能が形骸化しかねない事態だ。委員会も働きかけを強める必要がある。

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