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GDP大幅減 「想定内」と言えるのか

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 消費税増税対策により前回増税時ほど消費が落ち込まないとの政府の想定は崩れたとみるべきだ。

 内閣府がきのう発表した昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比1・6%減、年率換算で6・3%減だった。マイナス成長は5四半期ぶりで、減少幅は民間予測を大きく超えた。

 内需の柱である個人消費など、民間需要が総崩れした。台風や暖冬の影響もあるが、最大の要因は増税後の消費の冷え込みだ。

 減少幅こそ前回増税直後の2014年4~6月期(年7・4%減)を下回った。ただ増税前の成長率の低さを勘案すれば、景気基調は前回より弱いとの見方も強い。

 新型肺炎の影響によっては今後もマイナス成長が続く恐れがある。景気後退が疑われる局面だ。政府は想定を超えて冷え込む消費を直視した経済運営が求められる。

 安倍晋三首相はきのう、「今後とも内需主導の緩やかな回復が続く」と述べた。楽観的すぎないか。

 個人消費の不振は増税分の負担増に加え、日用品などの値上げで家計が圧迫されていることが背景にある。所得が実質的に目減りし、節約志向を強めるのは当然だ。

 見過ごせないのは、消費低迷が長期化しかねないことである。

 家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は増税した昨年10月から3カ月連続で前年割れした。しかも12月分は減少幅が拡大し、持ち直しの力強さを欠いている。

 増税対策のキャッシュレス決済へのポイント還元は、恩恵が広く行き渡らない欠陥が顕著だ。

 事業規模26兆円の経済対策も決めたが、柱となる公共事業は人手不足で消化が見通せないなど、景気の下支え効果は怪しい。

 政府は各施策を見直し、効果的な手だてを探るべきだ。

 今後は新型肺炎の影響で、訪日中国人客の消費落ち込みが避けられない。日本企業の対中輸出入や設備投資の減少も予想される。国民が外出を控え、弱い消費に追い打ちをかける懸念も拭えない。

 肺炎流行が長引けば、日本のGDPを1%以上押し下げるとの試算もある。安倍政権は終息に全力を挙げなければならない。

 併せて求められるのは正確な現状認識と景気判断だ。見誤れば適切な政策をとることはできない。

 アベノミクスは実体経済への対応力を失っている。軸となる大規模金融緩和策はマイナス金利導入から4年となり、金融機関の収益悪化など副作用が目立つ。早急な軌道修正が必要である。

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