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冬山スキー遭難 安全優先の意識徹底を

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 冬山やスキー場のコース外である「バックカントリー」での遭難事故が相次いでいる。いま一度安全のための行動を確認したい。

 新雪を滑走する爽快感はバックカントリースキーの最大の醍醐味(だいごみ)だろう。だが、ゲレンデ外はスキー場の管理も行き届かない冬山そのものだ。危険と隣り合わせであることを忘れてはならない。

 とりわけ暖冬の今季は、雪が解けてもろくなった層の上に積もった新雪が崩れる表層雪崩が起きやすいと指摘されている。

 訪日外国人客の増加やスキー人気の高まりで、道内でもスキーを楽しむ外国人がアジアを中心に増えている。適切な装備と情報提供が肝要だ。

 道警によると、2018年度冬山シーズン(11~3月)のバックカントリーでの遭難事故は、56件で遭難者は78人に達した。いずれも過去最多で、半数を超える41人が外国人だった。

 安全にスキーを楽しんでもらうためには何が必要か。官民で知恵を絞り、環境を整えたい。

 道内では、上川管内占冠村のトマムスキー場のコース外と宗谷管内中頓別町のピンネシリ岳で雪崩が発生し、スキーをしていたフランス人と英国人が犠牲となった。

 いずれも電波送受信機(ビーコン)を装着していたため早期に発見できたが、命を救うことはできなかった。巻き込まれれば、ひとたまりもない雪崩の恐ろしさだ。

 占冠村では当時、風雪注意報が出ており、スキー場のゴンドラも終日運休していた。中頓別町では雪崩注意報が出ていた。天候の行方には細心の注意を払いたい。

 占冠村の事故では、登山計画書の提出もなかったという。冬山に入山するという認識を広め、定着させる必要がある。啓発の徹底が欠かせない。

 道内の冬山の地形や天候、雪質に関する情報が乏しい外国人も多いという。18年度の外国人遭難者の半数は道迷いだった。

 各スキー場では多言語で登山計画書の提出を求めたり、注意喚起の看板を設置したりと対策を進めるが、軽装の外国人も後を絶たず、理解が進まないのが現状だ。

 冬山やコース外のスキー遭難事故は、道外でも起きている。犠牲者は外国人とも限らない。危険を回避する情報を共有できるよう関係者の連携も不可欠だ。

 スキーシーズンはまだ続く。誰もが安全に自然の魅力を満喫できるように、正しい装備と心構えでリスクを減らすべきだ。

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