PR
PR

「棒二」跡再開発 脱百貨店の成功事例に

[PR]

 昨年閉店したJR函館駅前の老舗百貨店、棒二森屋跡の再開発計画の概要が明らかになった。

 地権者らでつくる再開発準備組合の計画案では、旧本館を4階建て商業施設と25階建てマンション、旧アネックス館を24階建てホテルに建て替え、2025年度に全面開業する計画という。

 13年に棒二森屋の実質的な親会社となったイオンと函館市が全面協力し、投資額190億円を予定する。地方百貨店跡の再開発としては過去にあまり例のない大プロジェクトと言える。

 道内に限らず、人口減と地場経済の疲弊が進む地方都市の購買力では、百貨店という業態を支えられなくなりつつあるのが現実だ。

 今回の再開発の取り組みを「脱百貨店」によって中心市街地の求心力を取り戻すモデルケースにしてほしい。

 函館駅周辺は訪日観光客らでにぎわう一方、市内最大の繁華街が約3キロ離れた五稜郭地区に移った影響で居住人口が減少している。

 増加する観光客の受け皿となるホテルと、市民を呼び戻す効果のあるマンションや商業施設の組み合わせは、地域の課題を解決し、中心市街地に活力をもたらす効果が期待できよう。

 長い歴史を持ち、地域の消費文化を支えてきた百貨店が閉店した後のまちづくりは、今や全国の地方都市に共通する課題である。

 昨年の全国百貨店売上高は5兆7500億円で、うち7割は、富裕層や訪日外国人客の高額品需要のある10大都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)に集中した。

 それ以外の都市の百貨店の数は昨年末現在で127店と、この10年間に51店も減っている。

 先月には1700年(元禄13年)創業の山形の老舗、大沼が自己破産を申請し、山形県は百貨店が消えた最初の都道府県になった。

 道内も札幌以外の百貨店は丸井今井函館店と帯広の藤丸だけとなり、多くの自治体が空き店舗の後継テナント探しや跡地再活用に苦慮してきたのが実情だ。

 棒二森屋の再開発では、イオンが函館市と協定を結び、事業計画に主体的に関わっていくという。

 流通最大手のイオンが地方百貨店跡の再生を手がけるのは珍しく、全国的にも注目されよう。

 商業関連のデベロッパーとしての豊富なノウハウを生かし、地元の意見や要望に十分応えながら、他の地方都市の手本となるような成果に期待したい。

北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る