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安保60年

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現行の日米安全保障条約は60年前のきょう署名された。これを機にわが国は米国の戦略にいや応なしに巻き込まれてしまう―。そんな不安が拡大し、5月には国会を包囲するデモ隊が10万人を超えた。しかし自民党は衆院での採決を強行し、条約は1カ月後に自然承認された▼「神宮球場は野球を観戦する人でいっぱいだし、銀座通りもいつもの賑(にぎ)わいだ。国民の不安が増大しているとは思えない」。当時の岸信介首相はこう言い放ったという(宇治敏彦著「政の言葉から読み解く戦後70年」)▼米国の日本への防衛義務と日本の米軍への基地提供義務が、この国の安全保障の軸となってから半世紀以上。この間世界は激変した。ソ連が崩壊し東西冷戦は消えた。中国が台頭し、日本の領海に侵入を繰り返している。米国はトランプ氏というこれまでない異色の大統領を選んだ。協調を嫌い、自国の利益をことさら追求する人物だ▼秋に再選を目指す大統領はこの傾向を一段と強めかねない。すでに在日米軍の駐留経費増額を求めたとされる。武器購入圧力を高める可能性もある▼しかもトランプ氏は「米国が攻撃されても日本は戦わない」と安保体制に不満を募らせる。その中で安倍晋三首相は中東に自衛隊を派遣した。地域の緊張が高まっているさなかにだ▼頼みとする米国の機嫌を取るためか。戦争に巻き込まれる不安はますます膨らんでいる。2020・1・19

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