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離婚後の親子関係どうする? 「共同親権」議論本格化 昨秋、違憲訴訟、導入に慎重論も

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 離婚後も、父母双方が未成年の子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を巡る議論が本格化している。現在の民法は、離婚後は父母の片方にしか親権を認めていないが、昨年11月には、現行制度を憲法違反として道内を含む全国の12人が東京地裁に提訴したほか、法務省と有識者などによる研究会も議論を始めた。「親の養育権は基本的人権だ」との主張の一方、「元夫婦が接触することで家庭内暴力などの問題が続く恐れがある」との慎重論もある。

 親権は、親が20歳未満の子どもの教育や財産管理などを行う義務と権利。民法では婚姻中は父母が共同で親権を持ち、離婚時にはどちらかが持つと定める。

 離婚裁判では、日常的に子の面倒を見ていることが重視されるため、母親が親権者になるケースが多い。子どもの世話を柱とする「監護」を巡り、全国の裁判所に申し立てられた審判・調停は2018年は約4万4千件に上り、09年から3割以上も増えている。

 昨年11月には、「法の下の平等や幸福追求権を保障する憲法の規定に反し、子育てをする権利が侵害された」として、8都道府県の男女12人が国に計1200万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 原告で札幌市の40代男性は5年前、元妻が当時1歳半の一人娘を連れて「旅行に行く」と言い残して家を出たという。男性は「子が連れ去られた」と訴えたが、離婚訴訟で親権は元妻が持つことになった。男性が娘と会えるのは月1回、5時間のみ。動物園や商業施設など他者の目がある場所に限られ、自宅に招くことはできない。男性は「離婚で親子関係を断ち切られるのはおかしい」と訴える。

 こうした中、法務省や厚生労働省、最高裁、民法の研究者や弁護士らによる「家族法研究会」は昨年11月から、共同親権制度についての議論を始めた。今後、1年程度かけて親権の概念の整理や、別居している子どもと父母の面会交流を促進する方策も検討する。研究会の報告を踏まえ、法相が法改正の必要があると判断すれば、法制審議会に諮問し、制度導入の是非が判断されることになる。

 共同親権は欧米では主流で、父母双方が子どもの養育にかかわることで、養育費不払いの防止にもつながるといわれる。ただ、法律などの専門家には「ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待といった問題が離婚後も続く恐れがある」との懸念も根強い。

 法務省は「『子の利益』を最優先に考える観点から検討していきたい」と説明している。(田口博久)

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