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介護保険見直し 低所得者に厳しすぎる

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 厚生労働省は、3年に1度行う介護保険制度の見直し案を社会保障審議会の部会に示した。

 特別養護老人ホームなど介護保険施設に入居する低所得者世帯の一部を対象に、食費の自己負担を月2万2千円増やすことなどが柱となっている。

 低所得者にとって厳しすぎる。対象者も最大30万人に上る可能性があり、影響も大きい。

 要介護認定者は制度が始まった2000年の3倍に増え、総費用も3倍の10兆円超になった。団塊の世代全員が75歳以上になる25年度には、さらに膨らむ。

 だからといって、そのしわ寄せを生活弱者に強いるのは、あまりに安易で認めがたい。

 介護が必要な高齢者を社会全体で支えるという制度の原点に立ち返り、持続可能な制度設計の再構築が求められよう。

 低所得で負担増が検討されるのは、世帯全員が住民税非課税世帯で、年金などの収入が年120万円超155万円以下(65歳以上)の介護保険施設利用者だ。

 特養の多床室だと、食費は現在の2万円と比べて2倍以上の4万2千円となる。住居費などを含めた負担は月6万円から月8万2千円に増える。

 高齢者の負担感は相当だろう。

 介護施設でのショートステイの食費負担も、非課税世帯を対象に1日210~650円増える。

 一方で、一定程度所得のある人が介護サービスを受ける際の自己負担の月額上限を見直す。

 現在の4万4400円から、年収約770万円以上の人は9万3千円、約1160万円以上は14万100円に引き上げる。上げ幅が途方もなく大きい。

 比較的余裕がある世帯とはいえ、家計への影響は大きく、再考の余地があろう。

 今回焦点だったサービス利用者の自己負担割合2割の対象拡大などは先送りされた。

 制度開始時の自己負担は原則1割だったが、15年に年収280万円以上は2割、18年に340万円以上は3割に上がった。

 その結果、サービス利用を控える人が出ている。負担を拡大すれば、この傾向に拍車がかかり、要介護度の重症化が懸念される。

 そもそも介護保険制度という狭い枠内だけで財源問題を解決するのは困難だと言えよう。

 無駄な歳出や膨張する防衛費などを削り、企業優遇の税制見直しや富裕層への課税強化など予算の抜本改革を図るべきだ。

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