速報
PR
PR

臨時国会閉幕 桜を見る会 追及継続を

[PR]

 臨時国会がきのう閉幕した。

 野党は安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る疑惑解明のために40日間の会期延長を求めたが、幕引きを急ぐ与党側は拒否した。

 税金を使って首相の支持者をもてなしていた。だが、証拠となる招待者名簿は廃棄されていた―。

 民主政治の根幹を成す行政の公正性をゆがめ、都合の悪い情報は隠蔽(いんぺい)し、まともに説明しない。桜を見る会の一連の問題には安倍政権の体質が凝縮されている。

 首相はきのうの記者会見で「さまざまな批判があることは十分に承知している」と述べたが、説明責任を果たそうとの姿勢はなく、改憲などの訴えに力点を置いた。

 国会には真相究明の責務がある。幕引きは到底認められない。首相が出席する予算委員会の閉会中審査を早急に開催すべきだ。

 言い逃れのような答弁を重ね、ほころびが出ても合点のいかない稚拙な説明を上塗りするだけで、ますます疑問が膨らんでいく。

 「前夜祭」を巡る法令違反の有無や招待者名簿を廃棄した経過など、全ての問題がそうだった。

 連鎖販売取引(マルチ商法)と認定されたジャパンライフの元会長と「個人的な関係は一切ない」との首相答弁にも疑義が出ている。

 首相の父・安倍晋太郎氏は外相時代に訪米した際、現地で元会長と面会している。訪米の随行者名簿に外相秘書官だった首相の名前があり、元会長と面識があった可能性を野党は指摘した。

 情けないのは「首相隠し」と言うべき与党の対応だ。首相に納得のいく説明を求める声はほぼ皆無だった。本来、行政のゆがみを正すのに与党も野党もなかろう。

 辞任した菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相を巡る「政治とカネ」の疑惑も未解明だ。辞任の際に説明はするとしていたのに、国会に姿すら見せなくなった。

 説明に窮し議員の職責を果たせないのなら、潔く辞職すべきだ。

 自衛隊の中東派遣や消費税増税後の経済状況など、国会で議論を深めるべき政策課題は山積していた。「桜」追及の陰で、これらの論戦が脇に置かれたのは確かだ。

 だが、議会制民主主義の大前提は政治家が国民から不信の目を向けられることのないよう身を律することである。もし疑念を招いたら説明を尽くすのが当然だろう。

 それをしない首相が語る政策や改憲の訴えに、国民は信を置けようか。時間の経過とともにほとぼりが冷めると考えているなら、主権者を愚弄(ぐろう)しているに等しい。

北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る