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政府の経済対策 規模ありきのばらまき

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 規模、内容ともに必要性を疑問視せざるを得ない。政府が閣議決定した経済対策のことだ。

 財政投融資を含む財政支出は13兆円を超え、民間の負担分を加えた事業規模は26兆円に達する。

 政府は「緩やかに回復している」との景気認識を変えていないが、消費税増税で消費低迷が鮮明となっており、目配りは必要だ。

 台風19号など相次ぐ自然災害からの復旧も喫緊の課題である。

 それであっても、これほどの規模は過剰と言うほかない。

 危機的な財政状況の中、国の歳出は7兆6千億円に上り、消費税増税による増収分を上回る。増税で国民に負担を強いた以上、政府は財政再建を進めるのが筋だ。

 それなのに、なぜいま必要なのかが疑わしい施策も散見される。

 選挙対策で巨額の財政出動を求める与党と歩調を合わせ、規模ありきでばらまきになりかねない事業も詰め込んだからではないか。

 政府は緊急性や効果を精査し、無駄な支出を抑えるべきだ。

 今回の対策は日米貿易協定発効に備えた農家支援なども含め数兆円の歳出規模が想定されていた。

 ところが、ふたを開けてみればアベノミクスを加速させるとのかけ声の下、安全運転サポート車の購入補助や小中学校に1人1台のパソコン整備、成田空港の新滑走路など、盛りだくさんである。

 消費税対策で打ち出したキャッシュレス決済のポイント還元制度も予算が上積みされる。利用が想定を上回っているためというが、恩恵は世代や地域による偏りが大きいことが問題視されている。

 予算を増やせば、利用できない人の不公平感が強まるのに、十分な検証がなされた形跡はない。

 対策の柱となる公共事業は人手不足で消化できるか分からないなど、景気押し上げ効果も怪しい。

 政府は必要な費用を本年度補正予算と来年度当初予算に計上し、対策の財源としては赤字国債を発行しないという。だがお金に色は付いておらず、対策が膨らめば財政を圧迫することに変わりない。

 国の借金に含まれないために財政規律の緩みにつながりかねない財政投融資の活用を増やしたり、基金をつくって複数年にわたる事業の財源を確保する方式を多用したりするのも見過ごせない。

 基金は創設した後、使い方に目が行き届きにくくなりがちだ。

 政治には税金の使い道を決めるだけでなく、無駄なく使われているかをチェックする責任もあることを忘れてはならない。

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