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桜を見る会名簿 隠蔽の疑い濃くなった

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 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に、また新たな問題が出た。

 真相究明の鍵を握る招待者名簿について政府が「破棄した」と答弁した5月21日の時点では、バックアップデータが保存されていたことが分かった。政府の国会説明が事実に反していたことになる。

 ところが政府は、野党の資料要求に対しバックアップデータから名簿を出すことをしなかった。

 問題の広がりを恐れ意図的に廃棄した隠蔽(いんぺい)の疑いが濃くなったと言って、差し支えあるまい。

 耳を疑ったのが、データを出さなかったことへの政府の説明だ。

 菅義偉官房長官はバックアップデータは「公文書、行政文書ではない」と述べた。公文書管理法が「行政機関の職員が組織的に用いる」と定めている行政文書の定義に該当しないからだと言う。

 サーバーの電子データが災害などで消失した時の備えがバックアップだ。データは組織の共有物だと解釈するのが当然だろう。

 公文書の専門家から「原本の紙や電子データが失われた時点で、バックアップが法律上の行政文書になる」との指摘も出ている。政府の説明は全く理屈に合わない。

 国会法は、国会からの資料提出の要求に政府が応じる義務を定めている。「国会をだました」との野党側の反発は当然である。

 安倍政権は自衛隊の海外派遣、森友・加計(かけ)問題を巡り公文書の廃棄や隠蔽、改ざんを繰り返してきた。その反省がないばかりか、隠蔽を認めまいと稚拙な説明を重ねているようにしか映らない。

 連鎖販売取引(マルチ商法)と認定されたジャパンライフの元会長が、2015年に首相らの推薦枠で招待されたとされる件に関しても見逃せない話が出ている。

 野党は、消費者庁が作成したとみられる14年7月31日付内部資料を入手した。そこから、同庁が政権とジャパンライフの関係に配慮し同社への立ち入り検査を先延ばししたとの疑惑が浮上したのだ。

 文書には「本件の特異性」「政治的背景による余波懸念・外圧的に立ち入り検査の真意を問われる」などと記載されている。

 消費者庁は文書の真偽について言葉を濁している。先延ばしが事実なら問題はあまりにも深刻で解明が必要だが、与党は臨時国会を予定通り9日に閉会する方針だ。

 自民党の森山裕国対委員長は「桜を見る会は議論を重ね国民の理解も頂きつつある」と述べた。

 まともに説明できないから逃げている。これが実情ではないか。

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