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終盤国会と首相 逃げ切りは認められぬ

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 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」について、きのうの参院本会議で首相が答弁に立った。

 会の「私物化」批判に始まり、首相と後援会の懇親会に法令違反が疑われている問題、隠蔽(いんぺい)が取り沙汰される文書廃棄、内閣の行事にふさわしくない人物の招待など解明すべき点は山ほどある。

 だが、疑念を払拭(ふっしょく)する答弁内容からはほど遠かった。

 指摘される問題はどれも、不透明な身内優遇や情報公開に背を向ける態度など安倍政権の体質を象徴している。疑問に答えずに幕引きを図る姿勢も、またしかりだ。

 質疑の大きな焦点が、マルチ商法と認定されたジャパンライフの元会長が2015年、首相や官房長官らの推薦枠で招待されたのではないかとされる問題だった。

 首相は元会長と「一対一のような形で会ったことはない」と個人的関係を否定し、昭恵夫人も元会長と面識はないと言う。

 元会長が首相名の招待状を会社の宣伝に使っていたとの指摘に対しては一般論とした上で、「桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない」と述べた。

 「一般論」とは人ごとのようだ。

 無関係なら元会長がなぜ招待状を手にしたのか。首相らの推薦枠を示すとされる「60」の番号が記載されていたのはなぜか。マルチ商法の被害者の感情を踏まえるなら、徹底調査に乗り出すべきだ。

 野党が資料要求した直後に招待者名簿を廃棄した対応に関しても、木で鼻をくくる答弁だった。

 「大型シュレッダーの予約を4月22日に行い、使用予定日が5月9日となった。資料要求とは全く無関係と報告を受けている」と内閣府の説明を繰り返しただけだ。

 到底信じがたい説明だが、仮に事実だとしても、資料要求を受けた時点で廃棄を止めることはできなかったのかとの疑問が湧く。

 1年未満としてきた名簿の保存期間は見直しを検討するとした。

 しかし全体の答弁からは、公文書改ざんであれほど批判を受けた政権として反省の色が薄いばかりか、「遅滞なく廃棄した」ことを当然視するような印象を受ける。

 やはり一問一答の追及ができる予算委員会を開かないと真相は見えてこない。だが与党は野党の開催要求を拒否し、今国会は9日の会期末を前に首相答弁の機会をきのうで最後とする方向のようだ。

 首相自身に降りかかっているさまざまな疑惑や疑念を放置しての「逃げ切り」は認められない。

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