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桜を見る会 疑惑噴出、沈黙許されぬ

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 首相主催の「桜を見る会」に新たな疑惑が次々と浮上している。

 多数の被害者を出し連鎖販売取引(マルチ商法)と認定されたジャパンライフの元会長が、安倍晋三首相や菅義偉官房長官の推薦枠で招待された疑いがある。参加者に反社会的勢力もいたとされる。

 税金を使う内閣の行事にこうした人たちを招いていたのなら、政権への国民の信頼は失墜しよう。

 政府・与党はその深刻さを認識していないのだろうか。

 いや、政権への打撃を懸念しているからこそなのだろうか。問題解明の姿勢に全く欠けている。説明責任を放棄したかのような沈黙を続けることは許されない。

 野党が入手したジャパンライフの宣伝チラシには、首相名の招待状が掲載されていた。招待者の枠を示す番号「60」が記載され、内閣府の資料では、「60枠」は首相・官房長官等の推薦者だった。

 推薦が事実なら被害者の憤りは想像に余りある。誰が、なぜ招待したのか。元会長とどんな関係だったのか。調べるのが当然だ。

 菅氏は来場者と撮った写真に、反社会的勢力と目される人物が写っていたと週刊誌に報道された。

 いったんは反社会的勢力の参加を事実上認めたが、その後は「出席したとは言っていない」と曖昧な答えになり、事実関係の調査にも乗り出そうとしていない。

 政府は第1次安倍政権時代に反社会的勢力による企業被害の防止に関し指針を策定した。反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と定めている。

 なのに菅氏は、反社会的勢力の「定義はない」と言った。追放の先頭に立つべき政府の要の立場として、これでは示しがつかない。

 さらに問題なのは、疑惑検証に欠かせない招待者名簿を「廃棄済み」と政府が繰り返していることだ。一般には可能とされる電子データの復元すら「できない」と言うが、理由は定かではない。

 今年の招待者名簿が廃棄されたのは5月9日で、野党の資料要求があった直後だった。

 内閣府は大型シュレッダーの使用が混み合っていたため偶然この日になったとし、隠蔽(いんぺい)を否定するが、シュレッダーの性能などから信ぴょう性に疑問も出ている。

 国会は来月9日の会期末へ終盤に入った。疑惑は深まるばかりだが、野党が要求する首相出席の予算委員会集中審議を与党は拒み続けている。幕引きを狙っているのなら、国民への背信に等しい。

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