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鉄道のバス転換

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バスは始発からほぼ満席の混みようだった。平日の夕方。乗客の多くは学校帰りの高校生。部活や試験の話でにぎやかだ。数年前、静内発鵡川行きのJR日高線代替バスでの光景である▼出発から10分後、新冠で3分の1ほどが降りた。家族が車で迎えに来ている生徒もいた。席は少しずつ空いてゆく。日高門別が近づいた1時間後、最初おしゃべりに興じていた生徒が、ひとり窓に持たれてぐったりと眠っていた▼都市部であればもう少し楽な通学ができそうなものを、と思わずにはいられない。「法の下の平等」「居住の自由」「ひとしく教育を受ける権利」といった憲法の言葉が頭に浮かぶ▼日高線は管内7町がバス転換に向けてJRと個別協議に入ることになった。災害による不通区間を復旧することなく、廃止される見通し。高校生たちの「痛学」は今後も続くことになりそうだ▼こうした毎日を送った生徒たちは、卒業後どんな道に進むのだろう。地元でまちづくりを担うなら頼もしいが、便利な都市部へ進学、就職するとしても、だれが責められようか。結果として地域の過疎化、高齢化はさらに進む▼日高線沿線のみならず、全道共通の課題だ。バス転換後も需要は減り続け、乗り合いタクシーに再転換する地域もある。自治体とJRの協議は、地域交通よりも、地域そのものの将来に誰がどう責任を持つかという視点が欠かせない。2019・11・18

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