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安保法制判決 憲法判断回避は無責任

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 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法に違反するものだとして、約1500人が国に損害賠償を求めた集団訴訟の判決で、東京地裁はきのう原告の請求を退けた。

 全国22地裁・支部で提訴された同種の集団訴訟のうち2件目の判決で、今年4月の札幌地裁判決に続く原告側敗訴となった。

 原告は、安保関連法施行で平和的に生きる権利を侵害されたと主張したが、判決は法的保護を与えられる利益とはいえないと判断。憲法判断をすべき理由がないとして請求を棄却した。

 行政や立法府が憲法を守らない場合、司法はそれを是正する役割を担う。最高裁が最終的権限を有する違憲立法審査権は、そのためにある。

 立証に不可欠な証人尋問も認めなかった東京地裁の判決は、門前払いに等しい。これでは憲法を巡る審理の深まりは期待できない。

 安保関連法を巡っては、「日本を取り巻く安全保障環境の変化」という薄弱な根拠で、憲法9条を実質的に骨抜きにする憲法解釈の変更を行った。

 極めて違憲性が強く、廃止するのが筋だ。

 三権分立の根幹が問われる重要な局面で憲法判断を回避した東京地裁の判決は、司法の責任の放棄と言わざるを得ない。

 東京地裁判決は、安保関連法の施行で、日本が反撃されたり、テロの対象となったりする危険が増したという原告の主張について、具体的な危険が発生したとは認めがたいとして退けた。

 憲法判断は、具体的な権利の侵害が審理の対象となるとされ、抽象的な訴えでは中身の検討に入らないことが多い。

 しかしながら、「戦争は繰り返したくない」という空襲体験者やテロ攻撃などの巻き添えを恐れる米軍基地周辺住民の不安は、果たして具体性を欠いた訴えだっただろうか。

 高度に政治的問題は司法審査になじまないとして、憲法判断を避ける「統治行為論」も影響したとみられる。

 前橋地裁や横浜地裁の訴訟で証人尋問に臨んだ宮崎礼壹元内閣法制局長官は、安保関連法について「長年の政府解釈や国会議論に反しており、違憲だ」と述べた。

 その事実だけでも憲法判断を行う理由になるのではないか。

 立憲主義が問われている今こそ、司法が憲法判断と向き合うべきだ。

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