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公務員の副業 注目したい鹿部の試み

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 渡島管内鹿部町は、地方公務員法で原則禁止されている職員の副業を条件付きで解禁した。

 町内の深刻な人手不足を職員の副業で補うのが狙いで、道内の自治体では初めてとみられる。

 人口減と高齢化による人手不足は、過疎地に共通の悩みだ。しかも、高齢化がピークを迎える2040年ごろには、自治体そのものも職員の確保が難しくなると予想されている。

 自治体職員の副業は、民間の働き手の穴を埋めるだけでなく、行政を担う人材を得やすくする効果も期待できるのではないか。

 労働力不足で小さな自治体の運営が行き詰まる「2040年問題」に対処する方策の一つとして注目に値しよう。

 鹿部町は企業、団体と協力し、住民サービスを低下させずに副業できる仕組みを工夫してほしい。

 鹿部町は副業の対象として地域団体の有償ボランティア、スポーツや文化関連の指導者、ホタテやコンブ漁の手伝いなどの漁業支援を想定する。

 勤務時間外の活動、報酬は許容できる範囲といった条件を満たせば副業が可能になる。

 同様の制度は神戸市が17年に全国に先駆けて導入し、道外でもわずかしかない。鹿部町の取り組みも先行事例になるだけに、試行錯誤は仕方がない面もある。

 だからといって、副業で住民サービスがおろそかになるようなことがあってはならない。

 民間への利益誘導を疑われたり、副業の労働時間を把握できずに過重労働の引き金になったりする恐れもある。

 効果を検証し、こうした懸念を招かない制度を練り上げてもらいたい。

 職員が副業の経験で得た民間のノウハウを行政運営に生かす手だても求められよう。

 総務省の研究会は昨年7月、40年ごろを想定した自治体改革案として、複数の市町村で構成する「圏域」を行政主体として法制化する構想を提言した。

 この構想を巡っては、中心的な都市に行政機能が集中し、周辺の小規模市町村が衰退するとの批判が地方から上がる。

 地域の未来を決めるのは、あくまでも住民である。国が決めた改革を地方に強要するのは地方分権の趣旨に反する。

 地域の事情に合わせた自治体の在り方を、住民が主体となって考える必要がある。国の役割はそれを支えることだ。

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