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即位礼正殿の儀 象徴にふさわしい姿に

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 天皇陛下の即位を内外に宣言する「即位礼正殿の儀」がきょう、国事行為として皇居で行われる。即位を披露する「饗宴(きょうえん)の儀」も行われ、今年限りの祝日となる。

 パレードを行う「祝賀御列の儀」は台風19号による甚大な被害に配慮し、来月に延期された。

 政府の決定ではあるが、5月の即位の際、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、象徴の責務を果たすと述べた天皇陛下も、その決意を新たにすることだろう。

 一連の儀式は現憲法下で2回目となる。政府は、前回の平成の代替わりの際、憲法上の検討を十分に行ったうえで儀式が行われたとして、基本的な考えや内容を踏襲した。

 しかしながら、宗教色を拭えない儀式への公費支出や儀式の内容について、政教分離や国民主権の観点から憲法違反の疑念を指摘する声は絶えない。議論を尽くしたとは言いがたい。

 天皇の地位は主権者である国民の総意に基づく。象徴天皇にふさわしい儀式とは何か。伝統の継承とともに、現代に適した在り方を探る作業を怠ってはならない。

 即位礼正殿の儀では、天皇陛下の玉座、高御座(たかみくら)と、神話に由来する「三種の神器」のうち、剣と璽(じ)(勾玉(まがたま))が用いられる。いずれも宗教色があり、政教分離規定に反するとの懸念がある。

 政府は、公的性格があり、国事行為に使うことは問題ないとの立場だ。戦後制定された皇室経済法が定める、皇位とともに伝わる由緒ある物などに当たるという。

 平成の代替わりの際、知事らの公費での参列を巡る住民訴訟で、合憲と判断した最高裁判決も根拠としている。

 しかし、国に対し公費支出の差し止めを求めた訴訟では、大阪高裁判決が、高御座や剣璽が宗教色を払拭(ふっしょく)していないと指摘。請求こそ退けたものの、違憲の疑いを一概に否定できないと述べた。

 国事行為として行うのであれば、宗教性を排除する必要がある。神話由来の剣璽等を使用するのであれば、皇室行事として行い、公費を支出しないのが筋だろう。

 高御座は、天皇陛下の立ち位置が床から高さ約1メートル。首相が、低い位置から祝いの言葉を述べるのは、国民主権に適さないとの指摘もある。

 儀式の性格に曖昧さを残すようなことは避けるべきだ。前例踏襲では国民の議論も深まらず、いずれは皇室の在り方についての関心低下にもつながりかねない。

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