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関電会長辞任 全容解明へ徹底調査を

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 関西電力の八木誠会長がきのう辞任した。岩根茂樹社長は第三者委員会が年内にまとめる調査結果が出た後に辞任する。

 八木、岩根両氏を含む関電役員ら20人が、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から約3億2千万円の金品を受領していた問題の責任を取った。

 原発マネーを巡り癒着が強く疑われる元助役からの金品攻勢への対応を個人任せにするなど、企業統治の不全は明らかだ。経営トップの辞任は当然で、むしろ遅きに失したと言える。

 金品提供の意図や資金の流れなど問題の核心は明らかになっていない。徹底した調査で全容を解明し、責任の所在を明確にすることが公益企業の責務である。

 八木会長も辞任によって説明責任を放棄することは許されない。

 両トップは続投する意向を示してきたが、批判がやまず辞任に追い込まれた形だ。問題の重大性を認識していなかったのだろうか。

 法令順守や危機管理の意識を欠く経営陣の下で、リスクの高い原発事業を推進することに不安を抱かざるを得ない。

 今月初めに社内調査報告書を公表した後も、調査対象外の元幹部が金品受領を認めるなど疑惑が拡大している。第三者委は調査の対象者や期間を広げ、真相を究明することが求められる。

 岩根社長は報告書を公表した際の記者会見で、関電が元助役に金品の受領を強要された被害者であるかのように説明した。

 しかし、金品の受領額が増えた時期は、高浜原発の再稼働を目指し関電が地元住民や自治体への説明に奔走していた期間と重なる。

 関電にも有力者と良好な関係を保ち、早期再稼働へ地元の協力を取り付けたい思惑があったろう。

 北海道電力など他の大手電力は同様の事例はないと言う。だが原発の運営会社と立地自治体のもたれ合いが指摘されてきた。原発立地のあり方が今後、問われよう。

 元助役を巡っては、関係会社が自民党の稲田朋美幹事長代行と世耕弘成参院幹事長の関係団体に献金していたことも判明している。

 献金などの形で原発マネーが政界に流れ、原発推進を不透明に支えていないか追及が不可欠だ。

 自民党の森山裕国対委員長はきのう、民間企業の不祥事で招致した前例がないとして関電幹部の国会招致に否定的な考えを示した。

 原発は政府と電力会社が二人三脚で推進してきた。国会での徹底調査は政治の責任である。

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