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<みなぶん>消費増税1週間 ため息ばかり ランチ値上げ「行けぬ」/還元事業「高齢者不利」

 消費税の税率が8%から10%に引き上げられてから1週間。読者の疑問に答える「みんなで探る ぶんぶん特報班」が、無料通信アプリ「LINE(ライン)」とメールで通信員登録する読者に増税による生活の変化を問いかけると、暮らしの負担増に加え、軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元制度の不満を訴える声が相次いだ。節約で乗り切る消費者たちは、増税分の税金の使い道に目を光らせている。

 「月1度の夫婦での外食を、今月はどうしようかと考えています」。小樽市の無職岡田昭正さん(70)が、悩める声を寄せた。

 毎月、妻とお気に入りの喫茶店まで歩き、1人700円ほどのランチを味わうのが楽しみ。ところが9月に店を訪れると、増税後の各メニューの20~100円の値上げを伝える張り紙を目にした。

 「100円高くなると、簡単には行けない」。10年前に公務員を定年退職。今は年金暮らしで、車や携帯電話も持たない。政府は低所得者の支援として生活に欠かせない飲食料品の税率を据え置く軽減税率を導入したが、外食は対象外。岡田さんは「1万円の食事をするわけでもなく、ささやかなランチもぜいたくなのだろうか」と疑問を呈する。

 軽減税率には違和感を訴える声が目立つ。ガス、水道、電気などの公共料金も税率10%で、オホーツク管内大空町の農業女性(49)は「これ以上の生活必需品は無いと思うのですが」。ポイント還元事業についても、「普段からキャッシュレス決済を利用する若い人が有利で、高齢者らは不利」(日高管内平取町の農業香田文雄さん=56=)といった不満の声が相次ぐ。

 負担増を乗り切るため、生活の知恵も絞る。北見市の主婦(54)は買い物前に必要な物をメモし、「書いていない物は買わないようにした」。札幌市中央区の主婦(39)も「これまで以上に安売りを意識し、本当に必要な商品かを検討している」と打ち明ける。

 政府は増税で5兆円超の税収増を見込む。消費税法は社会保障や少子化対策の財源と明記するが、母を介護する札幌市中央区の40代女性は、増税で介護用品が値上がりするため、レンタルで自宅に設置する介護用の手すりを一部、減らすという。「母が自宅内で歩行するのが困難になる。何のための増税なのか。ため息しかでません」

 増税と同時に幼保無償化も始まったが生活費は増えるため、効果は実感しにくい。8歳、5歳、3歳を子育て中の紋別市の保育士川口とも子さん(36)は「生活の負担は変わらない」と言う。「増税をするなら、国民が『自分たちの声は政策に反映されている』と実感できているか、その信頼関係が大切なはずです」。納税者は、税金の行方を注視している。(門馬羊次、川崎学)

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