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自民、世論より派内融和 道議会新庁舎に喫煙所 知事選での対立再燃 執行部が収束を優先

 道議会の自民党・道民会議が4日、道民の強い反発を無視する形で道議会新庁舎への喫煙所設置を決めた。喫煙所設置の是非を巡り、春の知事選の候補擁立時から残る会派内のあつれきが再びもち上がり、執行部が収束を優先させた。道議会庁舎という道民の共有物のあり方やたばこの害への意識ではなく、会派内の事情を優先させた結論に対し、他会派の反発は必至で、今後の曲折も予想される。

 「自民党が一つにまとまらなければならない。そのために決断した」。議員総会後、記者団にそう語った佐々木俊雄議員会長の発言は、会派内の“亀裂”が深刻なことを物語っていた。ベテラン議員は「今回できた傷は深い」と認める。

 喫煙所問題で改めて浮き彫りになったのが、今春の知事選での「しこり」だ。

 設置賛成派は、自民党の候補者選びで鈴木直道知事の擁立を主導した吉川貴盛道連会長に反発した道議が中心。9月中旬に会合を開くなどして、喫煙所設置に税金を使わないよう求めた知事を「喫煙する権利はどうなるのか」と批判。「道民意見が正しいわけではない」「ここで譲ると、何でもマスコミの論調通りになってしまう」などと主張し、中間派を引き込んだ。

 設置に反対したのは、知事擁立の後ろ盾となった遠藤連・元議長や吉川氏の長男である会派の吉川隆雅幹事長ら。「遠藤氏が賛同者を集めに動けば動くほど、知事選のしこりが目立った」(中堅議員)。幹事長は全体の調整役を務める必要があり、表だった動きはできなかった。

 所属議員のアンケートで賛成派は全体の6割の31人。北海道新聞が7月に行った世論調査では、新庁舎内への喫煙所に反対する意見が85%に上り、会派内の論理に縛られる自民会派と道民との意識の乖離(かいり)は明白となった。

 春に道議選を終えたばかりで「どうせ3年半後の選挙は誰も覚えていない」(賛成派の道議)と開き直る声さえあった。

 道議会の各会派は8年前に将来的な禁煙を目指し、希望する会派の控室に喫煙所を設置する―と取り決めたが、新庁舎での扱いは定まっていない。

 自民以外の会派では、民主・道民連合は控室には喫煙所を設けない方針。北海道結志会、公明党、共産党の3会派は敷地内全面禁煙を訴える。民主会派に所属する高橋亨副議長は「喫煙所の設置は自民会派だけの問題ではない。道議会としての姿勢が問われ、道民の思いに沿った形で問題を整理しなければいけない」と主張。会派間での調整が必要になりそうだ。(竹中達哉)

■実質「議員専用」に 自民控室内に設置へ

 新しい道議会庁舎は来年1月に工事が終わり、6月に利用を始める予定。地上6階、地下1階。道議の会派控室は3、4階にある。自民党・道民会議の控室は4階で、詳細なレイアウトは明らかとなっていないが、その一角に喫煙所ができる公算が大きい。

 一方で傍聴者用の喫煙所を整備する予定はない。傍聴者は1階の玄関から入り、エレベーターや階段で6階の傍聴席に移動するため、通常は控室がある3、4階に立ち入ることはない。このため、自民会派が設置を決めた喫煙所は、実質的に「議員専用」となる。

 現在の道議会庁舎には自民会派と民主・道民連合の会派控室に加え、地下1階に傍聴者用の計3カ所の喫煙所がある。

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