PR
PR

千葉の大停電 初動の遅れ徹底検証を

[PR]

 台風15号による千葉県の大規模停電の発生から、きょうで3週間となった。

 停電はほぼ解消したものの、復旧のめどが立たない地域がなお一部残っている。東京電力は完全復旧に全力を挙げてほしい。

 私たち北海道民も1年前、全域停電(ブラックアウト)によって生活がまひする恐怖を味わった。

 それでも大半の地域で45時間以内に電力供給が再開されたことを思えば、2週間以上にわたり電気のない暮らしを強いられた千葉の住民の労苦は察するに余りある。

 災害時に重要なのは迅速かつ正確な情報発信である。その点、東電と政府の初動対応のまずさが混乱を拡大させたと言っても過言ではない。反省と検証を求めたい。

 今回の台風では、山林地帯の大規模な倒木が電線を寸断するとともに、復旧作業の妨げにもなって停電を長期化させた。

 あきれるのが、東電の復旧見通しに関する情報のずさんさだ。

 台風が通過した翌日の10日に「11日中の復旧を目指す」と発表したが、11日になると「復旧は13日以降」、さらに13日には「最長で2週間」と先延ばしをし続けた。

 東電の配電技術者が現場の惨状を目の当たりにしても、復旧に長期間を要するとは思わなかった、とでも言うのだろうか。

 最初から2週間以上かかると情報発信されていれば、住民も県外に一時避難するなど、さまざまな対応が取れたはずである。

 東電のあいまいな情報発信の根底に「事態を軽く見せたい」という保身の意識があったのならば、生活インフラを担う企業として無責任のそしりは免れまい。

 こうした東電の対応を放置してきた政府にも問題がある。

 昨年のブラックアウトの際、経済産業省が北海道電力に先行して復旧見通しなどを発表していたのとは大違いではないか。

 当事者の世耕弘成・前経産相は今月初めの記者会見で、北電の情報発信が不十分だったから、経産省が乗り出したと語っている。ならば、今回も政府として同じ行動を取らなければ筋が通らない。

 そもそも安倍晋三首相は停電発生2日後の11日に内閣改造を行っており、被害を甘く見ていたと取られても仕方ない。

 初動の遅れを糊塗(こと)するため、東電に全責任を押し付け、知らん顔を決め込んでいるようにしか見えない。これが国民の生命を守るべき政府の態度なのか。国会で徹底検証すべきだ。

北海道新聞 購読の申し込みはこちらから
新聞配達スタッフ募集
PR
ページの先頭へ戻る