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温暖化サミット 未来への危機感足りぬ

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 若者たちが危機感を募らせ声を上げる姿を見て、各国の首脳たちはどう応えるのか。

 地球温暖化対策を議論する国連の「気候行動サミット」が開催された。来年から本格始動する温暖化対策の枠組み「パリ協定」に向けた各国の取り組みが不十分だとしてグテレス事務総長が求めた。

 世界中で異常気象や自然災害が相次ぎ、甚大な被害をもたらしている。各国首脳は未来への責任と事態の深刻さを認識し、温暖化対策を急がねばならない。

 2015年のパリ協定採択後も温室効果ガスの排出量は増えている。気温は既に産業革命前と比べ約1度上昇した。

 今世紀末の気温上昇を2度未満、できれば1・5度未満に抑えるというパリ協定の目標達成は、このままでは不可能だ。

 このためグテレス氏は、温室効果ガスの50年までの実質排出ゼロと30年までの45%削減、石炭火力発電所の20年以降の新設禁止などを加盟国に要求してきた。

 サミットでは欧州各国を中心に77カ国が、50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると表明した。だが、まだ不十分である。

 世界的な抗議活動の火付け役となったスウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)も演説した。

 「私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのはお金と永遠の経済成長というおとぎ話だけ」と首脳らを批判し「私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない」と訴えた。

 サミットに先立ち約160カ国で400万人以上が温暖化対策の強化を求めて抗議活動を行った。

 こうした動きは若者を中心に急速に広がっている。国際社会の現状を見れば、地球の未来を不安視するのは当然である。

 特に世界第2位の排出国である米国の後ろ向きな姿勢は際立つ。パリ協定からの離脱を宣言したトランプ大統領はサミットに短時間出席しただけで発言しなかった。

 国際協調に背を向ける自国第一主義は大国の責任放棄に等しい。

 日本への風当たりも強まっている。各国首脳がそろう中、安倍晋三首相は不参加だった。小泉進次郎環境相が出席したものの、演説の機会は与えられなかった。政府に具体策がないためだろう。

 温室効果ガスの排出量が多い石炭火発の新増設を日本が認めていることは、世界の潮流に逆行している。再生可能エネルギーの導入を加速させ、温暖化対策を推進する姿勢を示さねばならない。

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