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基準地価 見過ごせぬ二極化傾向

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 国土交通省が発表した今年の基準地価(7月1日現在)が全国平均で前年比0・4%上昇し、2年連続のプラスとなった。

 けん引役となったのが、札幌など訪日外国人客でにぎわう中核都市や観光地である。

 その結果、三大都市圏以外の商業地も0・3%のプラスとなり、バブル経済の終わった1991年以来28年ぶりの上昇に転じた。

 もっとも、調査地点のほぼ半分で下落が続いており、人口減が進む地方との二極化傾向がむしろ顕著になっている。

 政府は、民間の投資マネーが行き渡りにくい地方を活性化する施策にもっと力を入れるべきだ。

 「地価の二極化」を象徴する地域が北海道である。

 スキーリゾートとして外国人に人気の後志管内倶知安町は、ペンションなどの多い樺山地区の住宅地、JRの駅に近い北1西2の商業地がともに66・7%値上がりし、全国トップの上昇率だった。

 札幌市も住宅地が平均6・1%、商業地が平均11・0%と高い伸びを示した。

 その一方で、住宅地の下落率全国ワースト10のうち7地点、商業地では6地点を占めているのも北海道だ。これらの大半は、過疎に悩む空知管内の旧産炭地である。

 このような極端な格差は、安倍晋三政権の政策のゆがみの反映ではないか。

 アベノミクス「第1の矢」として掲げた大胆な金融緩和に沿い、日銀が6年半も続けてきた超低金利政策が不動産投資を刺激した。

 投資先となったのは、訪日客の増加でホテルなどの新規需要が生じた札幌などの中核都市や倶知安などのリゾート地である。

 訪日客の増加そのものは、ビザ発給要件の緩和など、安倍政権が取り組んできた観光政策の成果と言えなくもない。

 とはいえ、日韓関係の悪化で韓国人観光客が大幅に減っていることが示すように、訪日客頼みの地価上昇が続く保証はない。

 金融緩和によるカネ余りが投資を過熱させている面もあり、実需とかけ離れたバブルを招かないよう警戒も必要だろう。

 道内では約250の調査地点のうち約6割の146地点の地価が下落した。安倍政権が掲げる「地方創生」がいかに看板倒れであるかを示している。

 政府は、人口減の続く地方にも投資を呼び込み、産業育成や住環境改善につながる多様な政策に真剣に取り組んでもらいたい。

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