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JOC理事会 非公開では信頼保てぬ

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 日本オリンピック委員会(JOC)理事会が非公開で開かれた。一部人事案件を除き、発足以来初めてのことだ。五輪招致の贈賄疑惑も解明されない中、不信を深める措置と言わざるを得ない。

 6月に会長に就任した山下泰裕氏が提案し、理事24人のうち19人が賛成した。公開の場では話せないことが多いという。内向きとしか言いようがない理屈だ。

 スポーツ界では競技団体を舞台に、不正流用やパワハラなどが相次いだ。閉鎖的な体質や透明性の欠如が、不祥事の温床となったことを忘れてしまったのだろうか。

 公正さと公平性を担保するには外部の目が欠かせない。JOCは速やかに非公開の決定を撤回し、誰もが理事会の議論を共有できる態勢構築に力を入れるべきだ。

 JOC理事会は、事業計画や予算を承認する重要な意思決定機関だ。選手強化や市場動向調査などの方針を決める過程が非公開とあっては、競技関係者はもちろん、幅広い国民の理解は得られまい。

 JOCは国の補助金を受給し、理事には各競技団体の幹部らが名を連ねる。極めて公益性が高い。非公開でなければ、議論ができないという主張は理解に苦しむ。

 山下氏は表に出せない情報も理事間で共有したいと説明する。そこまで高度に機密保持が求められる情報とは一体何なのか。根拠を示さず議論の活性化を訴えるだけでは、説得力を欠く。

 スポーツ庁は6月、中央競技団体に対し、情報開示による透明性確保など守るべき規範を示した。統括する立場にあるJOCが範を垂れるどころか、逆行する方針を示すとは驚きを禁じ得ない。

 理事会では、決議内容は原則開示するものの、審議やJOCの利益が害される場合などは除くことも決まった。その判断が適切かどうか誰がチェックするのか。

 JOCは議事録の公開で透明性を保つという。都合の悪いことが伏せられることはないか。疑念を払拭(ふっしょく)するためにも、外部の目で検証する仕組みが不可欠だろう。

 東京五輪を巡っては、竹田恒和前会長が贈賄疑惑でフランス捜査当局の捜査対象となっている。JOCの調査は、身内の聞き取りだけで結論を出す不十分なもので、疑惑が晴れたとは言いがたい。

 ロス五輪柔道金メダリストの山下氏は会長就任時、スポーツ界の信頼回復に取り組むと意欲を示した。消極的な姿勢で「指導」を取られるようなことがあっては、その道は険しいものになる。

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